移住者急増の三重県伊賀市
「移住コンシェルジュ」とは

新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、人口の東京への一極集中が緩む動きが続いています。
三重県内の各自治体は県外からの移住者を増やすためさまざまな取り組みを進めています。
中でも伊賀市は、昨年度までの4年間で年間の移住者が約3倍に急増。
その理由の1つが「移住コンシェルジュ」の存在です。
伊賀市の取り組みを鈴木壮一郎記者が取材しました。

伊賀市役所で移住者からの電話に応じるのが移住支援を専門にする「移住コンシェルジュ」の峠美晴さんです。
伊賀市では3年前から移住コンシェルジュを設置。移住者に親身になって相談に応じる仕事ぶりが評判を呼んでいます。

取材した日は伊賀市に移住してきたばかりの女性が補助金の申請手続の相談に訪れていました。

(伊賀市に移住した女性)
「こういう方が居て下さるだけで安心だったのでめちゃめちゃ助かる」

(移住コンシェルジュ 峠美晴さん)
「まず私と慣れてもらってできるだけ気軽に思ったことを聞き出せるというか、お話してもらえるような雰囲気にもっていきたい」

伊賀市では平成28年度には32人だった移住者が4年で約3倍に増加。順調に移住者を伸ばす中で今、力を入れているのが「定住支援」です。
移住者同士の交流会を開催するなどして移住した人たちが安心して暮らせる環境作りに取り組んできました。
新型コロナウイルスの影響で交流会を開催できなくなってからは移住者に役立つ情報を冊子にまとめ配布しています。
さらに定住支援の一環として動画による発信もしています。

この日、峠さんが訪ねたのは1年前に移住してきた家族と移住先の地域の住民。

移住までの経緯や地域の中での暮らしぶりについてインタビューする動画を撮影し移住を検討している人に向けて発信しようというのです。
話題は移住後に感じたギャップにも及びました。

(家族と伊賀市に移住した男性)
「念願の古民家も隙間風が寒い、リフォームして環境を変えていこうと」

移住者や地域住民のリアルな声をそのまま発信。
検討段階からより深く移住について考えてもらうことで移住した後そのまま長く暮してもらう「定住」の実現を目指しています。

(移住コンシェルジュ 峠美晴さん)
「伊賀市に来てもらうことが目的ではなくて喜んで安心して定住してもらうことを最終の目的にしている。移住者さんが来てよかったよという言葉をおっしゃっていただけているのが今の移住者数を増加させることに繋がっていると私は思っているのでそういう風にしていきたい」