マータイム実現を」
五輪・パラ組織委 森会長

東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の森会長は、安倍総理大臣と総理大臣官邸で会談し、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入を検討するよう要望しました。

この中で森会長は、安倍総理大臣に対し、2020年東京大会に関連して、47都道府県を回る聖火リレーの概要や、開会式や閉会式の演出の在り方などについて説明しました。

そのうえで森会長は「マラソンなど一部競技の日程を朝早くにしたが、それだけで異常な暑さに耐えられるのか。抜本的な暑さ対策を考えなければならない」と述べ、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入を検討するよう要望しました。

森会長によりますと、これに対し安倍総理大臣は「一つの解決策かもしれない」と述べたということです。

会談のあと森会長は、記者団に対し、「安倍総理大臣は非常にまじめに聞いてくれた。2020年東京大会を契機にサマータイムが実現すれば、大会の大きな遺産になるのではないかと思う」と述べました。

猛暑で深刻度増した

東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会は、今月決定したオリンピックの競技スケジュールの大枠で、暑さ対策としてマラソンや競歩、トライアスロンなど一部の屋外競技で、招致段階の計画よりも開始時刻を早めました。

午前7時に決まったマラソンの開始時刻は、暑さ対策の観点からさらに早い5時や6時という案も浮上しましたが、選手が夜中に準備を始めなければいけないことや、大会スタッフやボランティアに負担をかけることなどを考慮し、7時に収まった経緯があります。

組織委員会の武藤事務総長は「サマータイムで全体を調整してもらえれば大会運営はスムーズにいく。観客のことも考えると、国民に関係することだと思う。いろいろな角度から暑さ対策を検討してきたが、このところの暑さで深刻度が非常に増した」と話しています。

安倍総理大臣への要望に森会長とともに同席した武藤事務総長によりますと、サマータイムによって早める時間は、1時間から2時間を想定しているということです。