菅首相「黒い雨」原告と
同じ事情の人たちの救済を

菅総理大臣は広島市で記者会見し、いわゆる「黒い雨」をめぐる裁判の原告と同じような事情にあった人たちも救済できるよう、広島県や広島市と連携しながら可能なかぎり速やかに対応していく考えを示しました。

この中で、菅総理大臣は平和記念式典の際に、いわゆる「黒い雨」をめぐる裁判の原告2人とことばを交わしたことを明らかにし「私からは『長い間、ご苦労をおかけしました』と申し上げ、原告の方からは上告の取り下げに対してのお礼があった。今後、ぜひ、よろしくお願いをしたいということであったので、私からは『誠意をもってできるだけ迅速に進めて参ります』と申し上げた」と述べました。

そして、原告と同じような事情にあった人たちを救済する方針について「個別に原告と同じ事情にあったかどうか、広島県や広島市としっかり連携をしながら対応する。ご高齢の方や病気の方もいらっしゃるので、できるだけ速やかに県と市と国の会合の中で方向を決めて救済していきたい」と述べました。

一方「核兵器禁止条約」について菅総理大臣は「アメリカを含む核兵器の保有国や多くの核兵器を持たない国からも支持を得られていないようだ。現実的に核軍縮を前進させる道筋を追求していくことが適切で、条約への署名は現在は考えていない」と述べるとともに、締約国会議へのオブザーバー参加も慎重に見極める考えを示しました。