埋め立て予定海域で
サンゴの移植作業を開始

アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり、沖縄防衛局が29日午後から埋め立てを予定している海域で、サンゴの移植作業を始めたことがわかりました。沖縄県が28日、複数の条件をつけたうえで、移植を許可したことを受けての対応とみられます。

普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり、沖縄防衛局は、埋め立て予定の海域のサンゴおよそ4万群体について、別の場所に移して保護するための許可を県に申請していました。

これについて県は28日、生存率を高めるため水温の高い時期を避けるなど、複数の条件をつけたうえで申請を許可しました。

これを受けて沖縄防衛局が29日午後、サンゴの移植作業を開始したことが防衛省関係者への取材でわかりました。

NHKが午後3時ごろ現場上空から撮影した映像では、複数のダイバーが沖縄防衛局のボートの中にある水槽に、サンゴのようなものを次々と入れていく様子が確認できました。

およそ30分後、1キロ余り離れた移植先とされている海域にボートで移動し、ダイバーたちがサンゴのようなものが入った容器を持って海中に潜っていきました。

沖縄防衛局はサンゴの移植が終わりしだい、新たな護岸の建設や、すでに一部が完成している護岸を延ばす工事に順次着手する方針です。

また、普天間基地の移設計画をめぐっては、埋め立て予定地で見つかった軟弱地盤を改良するため、沖縄防衛局が去年4月、設計変更を申請していて、県が慎重に審査を進めています。