沖縄知事 辺野古サンゴ移植
条件付きで許可表明

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐり、国が申請していた名護市辺野古沖の埋め立て予定地にあるサンゴの移植申請について、沖縄県の玉城知事は複数の条件をつけたうえで、許可する方針を明らかにしました。国と争っていた裁判で県の敗訴が確定したことを受けての対応です。

名護市辺野古沖の埋め立て予定地にあるサンゴの移植については、沖縄県が国から移植を許可するよう指示されたのは違法だと訴えた裁判で、最高裁判所が今月、訴えを退ける判決を言い渡し、県の敗訴が確定しました。

これを受けて沖縄県の玉城知事は28日午後、記者会見を開き、司法の最終判断に従い、複数の条件をつけたうえで沖縄防衛局が提出していたサンゴの移植申請を許可する方針を明らかにしました。

移植を許可する条件として、サンゴの生存率を高めるため、水温の高い時期や繁殖の時期を避けることや、台風シーズンは移植したサンゴを損傷するおそれがあることを考慮して、適切な時期を選ぶよう求めるとしています。

さらにサンゴを移植したあとも、おおむね1週間に1回、経過観察を行い、そのつど速やかに現場の写真を添付したうえで県に報告することなどを求めています。

一方、埋め立てを予定している海域では軟弱地盤が見つかり、沖縄防衛局が去年4月、改良に必要な設計変更を県に申請していて、県の対応が焦点になっています。

玉城知事は記者会見で「今後、軟弱地盤の改良工事が不可能となるなど、埋め立て工事全体の完成ができなくなった場合は、許可処分を取り消すこともありうる」と述べました。