宙ゴミは国際社会の中で
大きな問題」小野寺防衛相

人工衛星の利用が安全保障上重要となる中、小野寺防衛大臣は、新たな防衛計画の大綱に、衛星にぶつかる「宇宙ゴミ」を監視するため自衛隊の体制強化を盛り込む考えを示し、将来的には衛星を狙う兵器への対策にも役立てたいとしています。

弾道ミサイルの発射を感知したり、戦闘の際に位置情報を把握したりするには、人工衛星の情報が欠かせず、安全保障上宇宙利用の重要性が高まる中、衛星に衝突するおそれがある「宇宙ゴミ」の増加のほか、衛星を直接狙う兵器の開発も懸念されています。

こうした中、小野寺防衛大臣は、JAXA=宇宙航空研究開発機構の筑波宇宙センターで、「宇宙ゴミ」を監視する取り組みを視察しました。

このあと小野寺大臣は記者団に対し、「『宇宙ゴミ』は国際社会の中で大きな問題だ。宇宙空間の活用は、現在見直しを進めている『防衛計画の大綱』で、新たな防衛分野として重要な検討課題であり、安定的な利用のためにも国際社会と協力して役割を果たしていく」と述べ、年末に取りまとめる新たな防衛計画の大綱に、宇宙監視に関する自衛隊の体制強化を盛り込む考えを示しました。

防衛省は、宇宙での安全保障能力の強化によって、将来的には衛星を狙う兵器への対策にも役立てたいとしています。