総務相 NTT社長らと会食
認める“大臣規範抵触なし”

武田総務大臣はNTTの澤田社長らと会食していたとする「週刊文春」の報道について、衆議院総務委員会で会食の事実を認めたうえで「特定の許認可などに関する要望を受けたことはなく、大臣規範に抵触する会食ではなかった」と強調しました。

18日発売の「週刊文春」は、武田総務大臣が去年11月、NTTの澤田社長やJR東海の葛西名誉会長と会食していたと報じました。

武田大臣は、衆議院総務委員会で「葛西名誉会長との会食に同席したことは事実だ。葛西氏から声がけがあり当日までほかの出席者を知らなかった。別の予定があったためお酒のみいただいて中座し、費用として1万円を支払った」と説明しました。

そのうえで「出席者から特定の許認可などに関する要望、依頼を受けたことはなく、大臣規範に抵触する会食ではなかったと思っている」と強調しました。

また「会食当時は、NTTがNTTドコモの完全子会社化に向けたTOB=株式の公開買い付けを行っていたタイミングであり、国民に疑念を抱かせる会食だったのではないか」と指摘されたのに対し、武田大臣は「NTTドコモの完全子会社化は法令上、総務省の許認可が必要なものではなく、NTT側の経営判断で実施することが可能なものだ」と述べました。

NTT「会食の場で業務上の要請した事実なし」

NTTは澤田社長らが武田総務大臣と会食していたとする「週刊文春」の報道について、会食の事実を認めたうえで、「会食は民間の方が宇宙に関連する議論のために企画されたと承知している。武田大臣も同席していたが、NTT側から武田大臣を呼んだという事実はなく、会食の場でNTT側から業務上の要請をした事実もない」とコメントしています。

岡田官房副長官「大臣規範の趣旨踏まえ適切に判断を」

岡田官房副長官は記者会見で「政治家が政治活動の一環として、広く企業の方々と意見交換を行うことはありうると承知しており、大臣規範の趣旨を踏まえ、適切に判断することが基本だ。武田総務大臣は、これまでも事実に基づき誠実に答弁され『虚偽答弁をしたことはない』と答弁されていると承知している。引き続き、国民の皆様から疑念を招くことがないようにしていくことが重要だ」と述べました。

一方、記者団が接待と会食の違いを質問したのに対し「接待と会食の違いが法律的に明示されているかは存じないが、広辞苑には接待とは『客をもてなすこと』、会食とは『集まって飲食すること』と記載されているということだ」と述べました。

立民 泉政調会長「明確な説明ないと疑念抱かれる」

立憲民主党の泉政務調査会長は、記者会見で「どこでどんな話を、どれぐらいの時間をかけてしたのかについて明確な説明が必要で、それをしないから国民に疑念を抱かれる。国民に疑念を抱かれるような会食をしていないかどうかは本人が決めるものではなく、客観的に説明するよう、改めて求めていきたい」と述べました。