NTTと東北新社接待問題で
参院予算委 集中審議

参議院予算委員会の集中審議が開かれNTTと東北新社の社長が出席し、総務省幹部らの接待問題などをめぐって質疑が行われました。
2人の社長は一連の接待問題を陳謝しました。

集中審議には、NTTの澤田純社長と東北新社の中島信也社長が参考人として出席しました。

この中で、NTTの澤田社長は「日頃からマスコミや与野党の国会議員をはじめ有識者と懇談し、将来の社会や国際情勢について意見交換をする場を設けている」と述べました。

そして、総務省幹部とは3年前の社長就任以降3回会食したことを陳謝し、このうち去年6月に当時総務審議官だった山田・前内閣広報官らとの会食は総務省側から意見交換を持ちかけられ、会食形式を提案したと説明しました。

そのうえで、総務省幹部や国会議員との会食で業務上の要請を行ったり、便宜を図ってもらったりしたことはなく、常態化しているわけではないと述べました。

また、総務省幹部らへの接待でNTTドコモの完全子会社化が話題になったか問われ「検討を始めたのは去年4月で、それ以降、守秘を徹底している。インサイダー情報そのもので、総務省への事務的な確認を除き誰にも話をしていない」と述べました。

そして、接待と前後して完全子会社化や携帯料金の値下げが行われたと指摘され「そういう風に見えるという意見も分かるが全くそういう話も出していない。値下げは事業者の戦略で私から料金の話を出すことはない」と述べました。

さらに、菅総理大臣と会食したことがあるかどうかは「個別に誰と会食したか否かを公開することは事業に影響を与えるものと考えており、控えさせてもらいたい」と述べました。

武田総務大臣は、澤田社長と会食したことがあるか問われ「個別の事案に答えるのは控えたいが国民から疑念を招くような会食や会合に応じることはない」と繰り返しました。

菅総理大臣は「国民の信頼を大きく損なう事態になったことは深く反省するべきで、信頼を回復し期待に応えられるよう努力しなければならない。政治活動としてさまざまな方と意見交換しているが、一つ一つ答えるべきものではない。国民から疑念を抱かれるような会食や会合に応じたことはない」と述べました。

一方、東北新社の中島社長は衛星放送事業の認定を受けるにあたっての外資規制をめぐる放送法の違反と総務省幹部らへの接待で多大な迷惑をかけたとして陳謝しました。

そして、認定の申請段階で違法性は認識していなかったものの、その後、担当者が違反しているおそれに気付き総務省の担当部署に報告したと説明しました。

また「担当者が規制の内容を誤って理解していたという、大変みっともない報告を受けている。本当にどうしようもなく経営が成立している状態ではなかった」と述べました。

さらに「元役員らに直接、なぜそんなにたくさん会食しているのかと聞いたが、顔つなぎだと言っていて目的までは追及しなかった」と述べました。

さらに、菅総理大臣の長男は総務省との会食に同席させる役割だったのではないかと問われ「優秀な若者だが、総務省との接待要員のために会食に呼ばれていたのではなく、会食に出席した元役員が要請したためだ。長男が一定の役割を担っていたとは考えていない」と述べました。

また、武田総務大臣は「東北新社のミスが主たる原因とはいえ総務省側の審査も十分でなく、審査体制の強化も検討したい。また、第三者の検証委員会を今週中に立ち上げる予定だ」と述べました。