PTA連合会でも使途不明金
「極めて遺憾」会長の河村氏

私立幼稚園の保護者などが加盟する「全日本私立幼稚園PTA連合会」で、資金が使途不明になっていることが明らかになったことについて、会長を務める自民党の河村元官房長官は、極めて遺憾だとして、徹底した調査の上、厳しい対応を求めていく考えを示しました。

全国の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」では、多額の資金が使途不明になっているほか、保護者などが加盟する関連団体の「全日本私立幼稚園PTA連合会」でも今年度、およそ4000万円が使途不明になっていることが明らかになっています。

これについて「PTA連合会」の会長を務める自民党の河村元官房長官は、10日午前、記者団の取材に応じ「説明を受けて大変驚いた。私も事務方に任せきりにした責任は感じているが、極めて遺憾なことだ」と述べました。

そのうえで「当面は連合会が調査するということなので、しっかり調査してもらい、刑事告訴も含め、断固たる措置をとってもらいたい」と述べ、連合会に対し、厳しい対応を求めていく考えを示しました。

萩生田文科相 私立幼稚園連合会に全容解明求める

一方、萩生田文部科学大臣は、文部科学省の管轄下の団体ではないものの、社会から疑念を持たれることが起きるのは決して好ましくないとして、連合会に対し、全容の解明を求めました。

全国のおよそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」をめぐっては、今年度までの4年間に少なくとも4億円を超える資金が使途不明になっていることが明らかになっています。

これについて萩生田文部科学大臣は、衆議院文部科学委員会で「任意団体なので文部科学省の管轄下としての指導や助言はできないが、幼児教育を担う省としては、社会から疑念を持たれることが起きるのは決して好ましくなく、しっかりと全容解明に努めてもらいたい」と述べ、連合会に対し、全容解明を求めました。

また、連合会と文部科学省との間に癒着の構造があるのではないかと問われたのに対し「文部科学省では4年前、企業側から食事をごちそうになるなどの残念な事態が生じ、多くの幹部が処分された経験がある。同じようなことをする職員がいるとは思いたくないが、しっかりと省内の綱紀粛正を図り、管理していきたい」と述べました。

自民 下村政務調査会長「全容解明に努めてもらいたい」

文部科学大臣も務めた自民党の下村政務調査会長は記者会見で「文部科学省の所管団体ではないが、わが国の幼児教育を担う私立幼稚園の団体として、あってはならない不祥事だと認識している。全容解明に努めてもらいたい」と述べました。

加藤官房長官「当該団体で全容解明を」

加藤官房長官は午後の記者会見で「任意団体であり、政府として指導や監督を行う権限はないが、わが国の幼児教育の振興に関わる全国団体として、保護者などの信頼を失うようなことはあってはならず、当該団体において全容解明に努めてもらいたい」と述べました。