除染なき避難指示解除
再検討へ 福島 飯舘村

国は先月、原発事故に伴って今も避難指示が続いている福島県の「帰還困難区域」のうち、解除のめどが立っていない地域について、除染をしなくても解除できる制度を新たに導入しましたが、こうした対応を要望していた福島県飯舘村が制度を利用しないことも視野に、今後の対応の検討を始めたことがわかりました。

福島県では今も立ち入りが厳しく制限されている「帰還困難区域」が7つの市町村に残っています。

これまでは「除染作業が十分に進んでいること」などが、避難指示解除の要件になっていましたが、飯舘村の要望を受けて、国の原子力災害対策本部は先月25日、地元自治体の強い意向があり、住民の日常的な生活が想定されていないなどの要件が満たされれば、除染をしなくても避難指示を解除できる仕組みを新たに設けました。

しかし、帰還困難区域となっている村内の長泥地区の住民の間で「除染なき避難指示解除」を行った後の姿に対する認識に幅があり、除染を行ったうえでの解除を望む人も一定程度いることから、飯舘村は「除染なき避難指示解除」を可能にする新たな制度を利用しないことも視野に、今後の対応の検討を進めることになりました。長泥地区の住民の意見を改めて集約したうえで、結論を出すということです。

長泥地区では全体の17%が早期に避難指示の解除を目指す「特定復興再生拠点区域」となっていて、令和5年春までの避難指示解除を目指していますが「拠点区域外」については解除のめどは立っていません。