ワクチン優先接種 在宅介護
事業の職員も 業界が要望

新型コロナウイルスのワクチンについて、優先接種の対象に訪問介護など在宅介護サービスの職員が含まれていないことから、介護事業者で作る団体が国に改善を求めました。

新型コロナウイルスのワクチンについて厚生労働省は、来月下旬をめどに医療従事者、3月下旬をめどに高齢者への接種を始め、その後、高齢者施設の職員などに優先して接種を行う方針ですが、訪問介護や訪問看護など在宅介護サービスの職員は優先接種の対象から外れています。

このため介護事業者などで作る8つの団体は14日、菅総理大臣に対し、在宅介護サービスの職員なども優先接種の対象に含めるよう要望書を提出しました。

この中で8団体は「施設だけでなく、在宅サービスでも職員は高齢者に直接、接してサービスを提供していて、地域の高齢者を守るためにワクチン接種が必要だ」と訴えています。

これについて厚生労働省は「感染や重症化のリスクが高い人から順に接種するよう検討している。最初に確保できるワクチンの供給量が限られる中ですべての介護職を優先接種の対象にすることは難しく、慎重に検討したい」とコメントしています。

業界「ワクチン接種できないと不安感から人手不足が増す」

要望を出した団体の一つ、全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は「在宅介護サービスでは、訪問する職員が高齢者のいる家庭に新型コロナウイルスを媒介してしまう可能性があり、医療崩壊を防ぐためには速やかな接種が必要だ」と指摘しました。

そのうえで「在宅介護サービスの現場は人手不足の中で高齢者の生活を支えるため、継続が不可欠という思いで感染対応にも当たっていて、ワクチン接種ができないと不安感からさらに人手不足が増すおそれがある。ワクチンの供給量が限られていることは理解しているが、施設介護の職員の次でもいいので、在宅介護サービスの職員も優先接種の対象にしてほしい」と訴えました。