「改ざんのような悪質な
ものではない」 麻生財務相
森友学園をめぐる財務省の決裁文書の改ざんで、麻生副総理兼財務大臣は29日の衆議院の財務金融委員会で「書き換えられた文書の内容を見るかぎり、黒を白にしたとかいう悪質なものではないのではないか」と述べました。
29日の委員会では議員から、財務省が決裁文書の「改ざん」を「書き換え」と表現していることはおかしいのではないかという指摘がでました。
これに対して麻生副総理は「書き換えられた文書の内容を見るかぎり、バツをマルにしたとか、黒を白にしたとかいう改ざんのような悪質なものではないのではないか」と述べました。
ただ、その直後に「いずれにしても行政文書の書き換えは極めてゆゆしき話で、小さな話であろうと大きな話であろうと決裁が下りた文書を書き換えるのはありうべきことではなく、深くおわびを申し上げる」とも述べ、改めて陳謝しました。
また財務省が国会に提出した交渉記録に、学園側が安倍総理大臣の妻の昭恵氏の写真を近畿財務局に示して交渉の前進を迫ったとされる平成26年4月28日の記録がなぜないのか、という質問に、太田理財局長は「記録を作らなかったのかというと、それはそんなことはないと当時の担当者に確認している。ただ、努力はしたがどうしても4月28日の記録だけは探せなかった」と述べました。
そのうえで「担当者にどういうことを書いたか覚えているかと聞いたが、やり取りの主要な部分は書き換え前の決裁文書に載っているということだった」と述べました。
官房長官「書き換えはゆゆしきこと」
菅官房長官は午後の記者会見で、「麻生副総理兼財務大臣は、かねてより『決裁文書の書き換えを行うことはゆゆしきことである』と発言し、書き換えを重く受け止め、財務省による調査を進めていると認識している。午後には、『少なくともこういうことは動機は悪質でなかろうとも、結果として与えた影響は極めて大きかった』と発言をしている。いずれにしろ、決裁文書を書き換えるようなことはゆゆしきことである、そういう観点からの発言だと思う」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「決裁を得た行政文書について、書き換えを行うことは極めてゆゆしきことで誠に遺憾である、これが政府の立場だ」と述べました。
立民 辻元国対委員長「想像の域超えた異次元の大臣」
立憲民主党の辻元国会対策委員長は記者団に対し「自分の立場すら理解不能になっているし、私の想像の域を超えた異次元の大臣になってしまった。もうお辞めになったほうがいいし、放置している安倍総理大臣の責任も重い」と述べました。
国民 泉国対委員長「公文書への意識ない」
国民民主党の泉国会対策委員長は記者会見で「公文書がいつの間にか書き換えられてしまうのであれば歴史の検証に耐えられない。『改ざん』と『書き換え』の区別をことさら強調しようとする姿は公文書に対する認識のなさを裏付けており、そういう方が財務部門のトップを担っているのは恐るべき事態だ」と述べました。
社民 又市党首「職を辞すべき」
社民党の又市党首は記者会見で「クレージーだ。何が問われているのか自覚がない。麻生副総理兼財務大臣は失言や暴言が有り余るほどあるが、あきれてものが言えない。みずから職を辞するのが当たり前だ」と述べました。