「GoToヒジュン」日本に
核兵器禁止条約への参加促す

核兵器の開発や保有などを禁止する「核兵器禁止条約」の発効に必要な50か国の批准が間近に迫る中、条約を推進している有志のグループが国会議員などに働きかけるなどして、日本政府に条約への参加を促す新たな取り組みを始めると発表しました。

核兵器禁止条約は、国内の手続きを終える「批准」を行った国が発効に必要な50に達するのが間近に迫っていますが、日本政府は核軍縮につながらないとして条約に参加しない姿勢を示しています。

23日、学生やNGOなどでつくる、条約を推進する有志のグループがオンラインでイベントを開き、日本政府に条約への参加を働きかけるための新たなプロジェクトを始めることを発表しました。

プロジェクトは、「GoToヒジュン!キャンペーン」と題され、国会議員や知事などに問い合わせて条約への賛否などをウェブサイトで公開し、SNSなどで発信するということです。

グループの調査ではこれまでに条約に賛同する意思を示している国会議員は全体の17%で、年末までに30%から賛同を得られるよう全国でメンバーを募って活動を強化したいとしています。

グループの代表を務めるICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員は「条約に対する意識は、賛成が多い世論と、国民の代表である国会議員の間で大きな開きがある。地域の代表の議員の考え方に関心を持ってもらうことで、日本の批准を実現させたい」と話していました。

官房長官「署名は行わない考え」示す

加藤官房長官は、23日午後の記者会見で、「『核兵器禁止条約』が目指す、核廃絶というゴールそのものはわが国も共有しているが、条約の現状は、核兵器保有国のみならず、非核兵器保有国からも必ずしも支持を受けている状況ではない」と指摘しました。

そのうえで、「抑止力の維持・強化を含めて、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に核軍縮を前進させる道筋を追求していくことが適切だ。条約は、そうしたアプローチとは異なるため、署名は行わないという考えだ」と述べました。

そして、「核・ミサイル開発を進めている北朝鮮をはじめ、わが国を取り巻く安全保障環境は大変厳しさを増している。わが国自身の防衛力を強化しながら、日米安保体制のもとで、核抑止力を含めた米国の抑止力を維持・強化させていくことは、わが国の防衛にとって、現実的であり、適切な考え方だ」と述べました。