核のごみ最終処分場 調査
応募の請願採択 神恵内村

いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、北海道神恵内村の村議会は、委員会で調査への応募の検討を求める請願を採択しました。村議会は近く開かれる臨時の本会議でも請願を採択する見通しで、村が応募に踏み切るかどうかが今後の焦点です。

神恵内村では、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、地元の商工会から調査への応募の検討を求める請願が村議会に提出されていました。

2日、村議会の総務経済常任委員会が非公開で開かれ、審査が行われた結果、請願は賛成多数で採択されました。

委員会での採択を受けて、村議会は近く開かれる臨時の本会議でも請願を採択する見通しです。

神恵内村の高橋昌幸村長は、これまで「議会の判断を尊重する」と繰り返し発言していて、村が応募に踏み切るかどうかが今後の焦点です。

村では、先月30日まで5日間にわたって国などによる住民説明会が開かれ、調査への応募に反対する意見が出た一方で、「村の将来のためには必要だ」などと応募に理解を示す発言も相次いでいました。

神恵内村 高橋村長「本会議で決定したあとに答えたい」

神恵内村の高橋昌幸村長は委員会のあと記者会見し、「今回は委員会での採択でこのあとに本会議があるので、本会議で決定したあとに応募するかどうか答えたい。私が決断したときは私の立場で住民に対して経緯を説明して住民に理解を得たいと考えている」と述べました。

道議会 冷静で透明性の高い議論求めるとの決議

北海道議会は2日の本会議で、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、寿都町と神恵内村で調査への応募を検討する動きが出ていることを受けて、冷静かつ透明性の高い議論を求めるとした決議を全会一致で可決しました。

決議では、議論の現状について「放射性廃棄物に対する懸念や不安の一方で、地域振興への期待など立場の異なる関係者の意見がぶつかり、冷静な議論がなされづらい状況に陥っており、地域に修復困難な亀裂をもたらすことが懸念される」と指摘しています。

そのうえで、「『高レベル放射性廃棄物は受け入れがたい』とした北海道の条例の制定趣旨を十分に踏まえ、幅広い関係者の間で、客観的な根拠に基づく冷静な議論が、透明性の高い形で行われることを求める」としています。