民府県連から総裁選の
党員投票求める声相次ぐ

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙は、党執行部が、党員投票を省略して9月13日から15日を軸に、両院議員総会を開いて行う方向で調整を進めていて、1日に方法や日程などが決まる見通しです。
これについて、自民党の県連からは党員投票を求める声が相次いでいます。

滋賀県連 党員投票なければ独自の予備選を検討

自民党滋賀県連は、31日夕方、川島隆二幹事長が記者会見し「地方党員の声を国政に反映させることが重要だ」として、31日、党員投票の実施を求める二階幹事長あての要望書を党本部に提出したことを明らかにしました。

そのうえで、党員投票が行われない場合は、県連に割り当てられる3票の投票先を決めるため、県内の党員らによる予備選挙の実施を検討することをあわせて公表しました。

県連では党本部の決定を踏まえたうえで、今週末に臨時の総務会を開いて正式に方針を決めることにしていて、川島幹事長は「国民政党を名乗る自民党として、党員の意思を反映させる総裁選の実施が望ましい」と述べました。

兵庫県連も党員投票なければ独自の予備選実施

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙をめぐって、自民党兵庫県連は29日、「地方党員の声を反映させるべきだ」として、党員投票を行うよう求める要望書を党本部に送りました。

ただ、二階幹事長が、政治空白がうまれてはならないとして党員投票は省略する方向で調整する考えを示していることも踏まえ、県連は31日、持ち回りの「総裁選挙管理委員会」で、党員投票が行われない場合は、独自の予備選挙を実施する方針を決めました。

予備選挙は、およそ2万6000人の党員による郵送で行われ、それぞれの得票に応じて、ドント式で県連に与えられる3票を割り振るということです。

自民党兵庫県連の石川憲幸幹事長は、NHKの取材に対し、「コロナで地方経済が疲弊する中、地方の声をしっかりとくみ取っていただくためにも党員投票をやるべきだが、万が一、受け入れられない場合には予備選挙を行い、党員の意見が反映できるような方法を考えていきたい」と述べました。

岩手県連も党員投票なければ独自の予備選挙へ

自民党岩手県連は「地方の党員の声を反映させるべきだ」として、党員投票を行うよう求める要望書を近く党本部に送ることにしています。

そして岩手県連は党員投票が行われなかった場合、独自の予備選挙を行い、割り当てられる3票の投票先を決める方針を固めました。

予備選挙は県内にいるおよそ8000人の党員を対象に郵送の形を取って行い、それぞれの得票に応じてドント式で岩手県連に与えられた3票を割りふるということです。

自民党岩手県連の幹部はNHKの取材に対し、「地方の声を反映させるためにも党員投票をやるべきだが、万が一、受け入れられない場合には、予備選挙を行って県内の党員の意見が総裁選びに反映できるようにしていきたい」と話しています。

党員投票実施を要請 神奈川県連が党本部に

自民党神奈川県連の土井隆典幹事長が31日に記者会見し、総裁の決め方について国民が注目しているとしたうえで、党本部に対して、党員による投票を加えた「公選」による総裁選挙の実施を求める要請を行ったことを明らかにしました。

また、要請が受け入れられず、両院議員総会での投票になった場合には、県連として独自に党員や党友を対象にした予備選挙を行い、各都道府県連に割り当てられる3票に反映させる考えを明らかにしました。

県連によりますと、予備選挙を行うことになった場合、対象となる党員と党友は合わせておよそ6万3000人で、郵送による投票になる見込みで、結果をどう反映させるかは今後、検討するとしています。

自民党神奈川県連の土井幹事長は「地方の声を聞かない手法はあってはならないと思うし、党員の気持ちを第一に考え、その思いに応えたい」と述べました。

大阪府連も党員投票求める要望書提出

自民党大阪府連は地方の党員の意思を反映させるべきだとして、31日、府連の幹事長と総務会長名で、党員投票の実施を求める二階幹事長宛ての要望書を党本部に提出しました。

要望書では「総裁選挙における党員投票は党員が有する最大の権利であり、党員になる最大の利点だ。新しい総裁が選ばれるこの時に党員の権利を行使できなければ党員減少に拍車がかかる危惧もある」と指摘しています。

そのうえで「党員一人ひとりの声を聴くとともに正規の総裁選挙である党員投票を実施することは、国民政党自民党として当然のことだ」と、党員投票の実施を強く求めています。

名古屋市議団 党本部に党員投票実施を要望へ

自民党の名古屋市議団は、31日午前、緊急で総会を開いて、新しい総裁の選び方について意見を交わしました。

この中で、出席者からは「新しい総裁選びに地方の党員の意思を反映させてほしいという声を党本部に届けるべきだ」などの意見が相次ぎ、全会一致で、党本部に対し、党員投票を実施するよう要望することを決めました。

自民党名古屋市議団の渡辺義郎団長は記者団に対し、「党員が投票することで国民の全体の意思が反映できるのではないかと思う」と述べました。

自民党の名古屋市議団は、31日午後、党本部に要望書を提出する方針です。