し切りバスの収入9割
減続く” 国に支援策求める

全国のバス会社で作る業界団体は、新型コロナウイルスの影響で、特に貸し切りバスで運送収入が大幅に減った厳しい状態が半年近く続いているとして、国に支援策を求めました。

全国のバス会社で作る、日本バス協会の会長ら関係者は、東京 霞が関の国土交通省を訪れ、貸し切りバスの窮状の改善を訴える要望書を赤羽国土交通大臣に手渡しました。

要望書では、貸し切りバスの事業者は3月以降、今月にかけて収入が9割減と、ほとんど稼働していない状態が続いているとして、国の雇用調整助成金による支援で事業を継続している状況だとしています。

そのうえで「Go Toトラベル」事業の対象から東京が外されたことなどを受けて、貸し切りバスの利用を促す支援策を作るよう求めるとともに、来月に期限を迎える雇用調整助成金の特例措置による支援策の延長を求めました。

日本バス協会の石指雅啓理事長は「バスは換気能力が高く、感染予防対策もしっかりと講じていることを呼びかけて、バスの需要を喚起したい」と話していました。

“バス車両の感染予防を徹底”

都内のバス会社のひとつ「東都観光バス」は、保有するおよそ200台の観光バスのほとんどが、新型コロナウイルスの感染拡大で稼働できない状態が続いています。

このうち板橋区にある営業所では、運転手およそ50人が自宅待機の日が多くなっていますが、17日は健康診断で多くが久しぶりに出社しました。

感染予防についての講習会も行われ、その中で、車内の空気を外気と入れ替えるエアコンの「外気導入モード」の機能を実際に煙を充満させて確認しました。

この機能は窓を閉め切った状態でも、およそ5分で車内の空気を入れ替えることができ、窓を開けることで、さらに換気がよくなるということです。

また講師は、消毒のポイントや、会話や飲食は控えてもらうこと、カラオケや飲酒は禁止することなど、感染予防を徹底するよう改めて指示しました。

乗務歴12年の44歳の男性ドライバーは「知人からは『バスや電車は3密で怖く、使いたくない』との声をよく聞くが、安心して利用してもらえるよう消毒や清掃を徹底したい」と話していました。

社長で、東京バス協会の貸切部会の部会長を務める宮本克彦さんは「バス会社の多くは仕事がなくなり深刻な状況になっている。感染予防を徹底し、利用を促進したい」と話していました。