送“たらい回し”防止
空き病床情報を共有へ

埼玉県の大野知事は、新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者が救急搬送される際の、いわゆる「たらい回し」を防ぐため、医療機関のベッドの空き情報を、各地の消防と共有する新たなシステムを、今月にもスタートさせると発表しました。県によりますと、こうしたシステムは全国で初めてだということです。

これは19日、大野知事が定例の記者会見で明らかにしました。

それによりますと、県内で発熱や肺炎など、新型コロナウイルスへの感染が疑われる症状がある患者を救急搬送する際、医療機関から4回以上受け入れを断られたケースは、先月の1か月間で1080件に上り、去年の同じ時期と比べ300件余りも増えたということです。

このため今月からあらかじめ10から20の医療機関を感染が疑われる患者の「受け入れ病院」として指定し、およそ100床の病床を確保するということです。

そのうえで、救急搬送の際に消防がアクセスするシステムに、「受け入れ病院」の病床の空き状況などを表示できる新しい情報共有システムを構築し、いわゆる「たらい回し」を防いで速やかにPCR検査を行うとしています。

県によりますと、こうしたシステムは全国で初めてだということです。

大野知事は「積極的に患者を受け入れる医療機関を定め、疑い患者の重症化リスクも回避できる円滑な救急搬送体制を構築したい」と話しています。