阪府知事 休業要請に
応じぬ施設名 今週末公表へ

大阪府の吉村知事は会見で、府の休業要請に応じず、営業を続けている施設への対応について、感染拡大につながりかねない大型の収容施設を対象に、今週末に施設名の公表に踏み切る考えを示しました。

大阪府は緊急事態宣言を受けて、府内の遊興施設や運動施設などに休業を要請していますが、「一部のパチンコ店などが応じないで営業を続けている」という声が寄せられ、府は法律に基づいた施設名の公表を検討しています。

これについて吉村知事は、22日の記者会見で、「現地で確認したうえで電話や文書でお願いし、それでも応じていただけなければ、今週末に第1号の公表を実施することになる。感染リスクが高い大型の収容施設であるかが重要なポイントになる」と述べ休業要請に応じない大型の施設を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法の45条に基づいて、今週末に施設名の公表に踏み切る考えを示しました。

そのうえで吉村知事は「来週以降、さみだれ式に要請と公表が続くことになる」と述べ、要請に応じない施設については、順次、公表する考えを示しました。

奈良のパチンコ店 県外ナンバーの車が…

全国各地の遊興施設などに休業要請が出される中、23日から休業要請の対象となる奈良県のパチンコ店には平日の22日、多くの利用客が訪れていました。駐車していた車のナンバープレートの大半は地元のものでしたが、「大阪」や「京都」など県外から来たとみられる車も見かけられました。

また休業要請は出ていないものの、仁坂知事が他府県からの客の受け入れ自粛を強く求めている和歌山県のパチンコ店も同様の状況でした。

大阪 岬町から来たという男性は「パチンコが好きな人は1時間以上かけても開いている店に来ると思う。自分も店が閉まれば家で過ごすと思うが、やっているところがあればどうしても来てしまう。休業要請を出してくれた方がいいかもしれない」と話し、一緒にいた息子も「ストレスがたまるので、閉まらない限りパチンコは毎日すると思う」と話していました。

県外客を断る対策も 和歌山

営業を続けている和歌山県のパチンコ店に大阪など県外から客が訪れているという指摘を受け、和歌山県の業界団体が県外からの客の入店の自粛を求める対策を始めました。

全国に緊急事態宣言が出されるなか、和歌山県は感染の拡大が一定程度に抑えられているとして、県内の施設や事業者への休業要請をしていません。

一方で、休業要請が出された大阪など県外からの客が営業を続ける和歌山県のパチンコ店に訪れているという指摘を受け、仁坂知事は感染拡大を防ぐ意味も込めて他府県からの客を受け入れないよう業界側に強く求めています。

こうした中、パチンコ店などで組織された和歌山県遊技業協同組合は、加入する店舗で新規の客が会員カードを作る際、22日から免許証などで住所を確認し、県外に住んでいる人の場合は、入店を自粛するよう求める対策を始めました。

また、23日以降は県外のナンバーの車が来た場合、警備員などが声をかけ、県外からと確認できれば入店の自粛を要請することにしています。

すでに組合は、こうした方針を加盟する73の店舗に通知したということで、和歌山市内のパチンコ店では、早速入り口近くに対策の実施を知らせるポスターが張り出されていました。

今回の対応について、和歌山県遊技業協同組合の森口司理事長は「各店舗との間で難しい調整が必要だったが、休業要請を回避し従業員の雇用を守るために決断した。当面、県外の方は和歌山の店に来るのを控えてほしい」と話しています。