井前法相から現金
後援会幹部らが任意聴取に

自民党の河井案里議員が初当選した去年の参議院選挙をめぐって、後援会の幹部や当時の運動員が夫の河井克行前法務大臣から現金を受け取ったと検察の任意の事情聴取に対して説明していることが関係者への取材でわかりました。検察は現金授受の有無や趣旨について慎重に捜査を進めるものとみられます。

河井案里議員が初当選した去年7月の参議院選挙をめぐっては、広島地方検察庁が陣営の資金の流れを解明するため捜査を進めていて、このうち案里議員の後援会の幹部や当時の運動員の一部が任意の事情聴取に対し、参議院選挙の前に夫の河井克行前法務大臣から現金を渡されて受け取った、と説明していることが関係者への取材でわかりました。

NHKの取材に対し後援会幹部の1人は「去年5月頃、河井前大臣が『車代です』と言って机に封筒を置いた。前大臣が帰ったあと中身を確認したら、現金10万円が入っていた」と述べました。

また当時の運動員の1人は「去年7月初旬ごろ、河井前大臣から袋に入った現金10万円を受け取った。違法性のある金と思っていた」と話しています。

去年の参議院選挙をめぐっては、広島県の安芸太田町の町長が、去年4月、河井前大臣から現金20万円を受け取ったと明らかにし、検察の任意の調べに対し、複数の県議会議員や市議会議員が、河井前大臣や案里議員から10万円から数十万円の現金を受け取ったと説明していることが関係者への取材でわかっています。

検察は関係者から幅広く事情を聴くなどして現金授受の有無や趣旨について慎重に捜査を進めるものとみられます。