自護衛艦「しまかぜ」と
中国漁船衝突 原因究明へ

東シナ海で30日夜、海上自衛隊の護衛艦と中国の漁船が衝突したことを受けて、河野防衛大臣は海上自衛隊に事故調査委員会を設け、事故原因の究明などに取り組むとともに、海上保安庁の今後の調査に協力していく考えを示しました。

30日夜8時半ごろ、鹿児島県の屋久島の西およそ650キロの東シナ海の公海で、警戒監視のために航行していた海上自衛隊の護衛艦「しまかぜ」と中国の漁船が衝突しました。

これについて河野防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「『しまかぜ』に人的被害は発生しておらず、左舷の後部に、若干、穴が開いたり、若干の損傷があるが、航行には支障がない。中国籍の漁船は、『1名、腰を傷め負傷中』とのことだが、乗員13人に死者や行方不明者はいない」と述べました。

そのうえで、事故原因の究明と再発防止に向けて、海上自衛隊に事故調査委員会を設けるとともに海上保安庁の調査に協力していく考えを示しました。

また、河野大臣は「護衛艦『しまかぜ』が、近傍を航行中の中国の海軍艦艇とコミュニケーションを取れており、外交当局も、やり取りを始めていると承知している」と述べました。

茂木外相「中国と意思疎通を確認」

茂木外務大臣は閣議のあとの記者会見で「護衛艦『しまかぜ』に人的被害はなく、船体の一部に損傷があるものの航行に支障はないと承知している。中国籍の漁船に死者や行方不明者はいないが、乗組員13人のうち1人が腰を痛めて負傷したと聞いている。事故発生を受けて、すみやかに外交ルートを通じて中国側と連絡を取り、引き続き緊密に意思疎通を図っていくことを確認した」と述べました。