時休校要請は課題山積
専門家が指摘

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、安倍総理大臣は、全国の小中学校と高校に対して、来月2日から臨時休校とするよう要請する考えを示しました。しかし休校とした場合、入試や授業時間の確保など解決すべき課題は多いと専門家は指摘しています。

安倍総理大臣が休校を要請するとした小中学校と高校は、全国に3万6000校以上あり、合わせて1200万人以上の児童生徒が在籍しています。

文部科学省の中では今回の要請に戸惑いの声もあり、27日夜の時点で具体的な対応策を明らかにしていません。

実際に休校となった場合、地域によっては、まだ実施されていない高校入試をどうするかという課題があります。さらに、授業時間が不足し、期末試験も行われないため、成績や単位をどうするかや、卒業式などのイベントにも影響が及びます。

一方で、小学校が休校となった場合でも、児童が利用している学童保育については、厚生労働省が、両親の仕事に支障がないよう、開所することを求めています。

学校現場の実情に詳しい名古屋大学の内田良准教授は「総理が発信するという点で、かなり強いメッセージになっているが、学校運営や教育内容は、国でなく自治体が決めるのが原則だ。感染の予防対策として休校が良いという面はあると思うが、授業だけでなく入試や卒業式も控えており、一律に休校とするのは難しいのが現状だ。地域の実情にあった対応がとれるよう、準備期間があっても良かったのではないか」と指摘しています。