ベントや集会
中止や延期相次ぐ

新型コロナウイルスの感染が各地で広がる中、大阪府は18日、対策本部会議を開き、当面の対応を決めました。

この中では、感染拡大を防ぐための対策として、来月15日に大阪 吹田市の万博記念公園で開催予定だった、昭和45年の大阪万博から50年を記念する式典など、来月下旬にかけて、大阪府が主催するイベントや集会を原則、中止や延期とすることを決めました。

また、通勤時間帯の混雑緩和につなげるため、今後1か月間、職員の出勤時間を、午前9時から10時までとする時差出勤を実施することも決めました。

大阪府では、府内の市町村や経済団体に、こうした府の方針を伝えるとともに、同じような対策を講じるよう要請することにしています。

吉村知事は「急激な感染拡大をいかに防ぐかが重要だ。大阪は、まだ陽性は一例だが、いつ爆発的に増えるかわからないし、それを想像した対策が必要だ。できるだけ多くの人が交わることは抑制していく」と述べました。

これを受けて大阪市も、不特定多数の人が参加するイベントや集会を原則、中止や延期とし、職員の時差出勤を実施することを決めました。

栃木 佐野 ご当地キャライベント中止

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、栃木県佐野市は週末に予定していた全国からご当地キャラクターが集まるイベントを中止することを決めました。

中止が決まったのは栃木県佐野市のマスコットキャラクター「さのまる」の誕生日を祝うイベントで、今月22日と23日に予定されていました。

名物の佐野ラーメンをモチーフにした「さのまる」は、ご当地キャラクターの日本一に選ばれたこともある人気のキャラクターで、イベントでは熊本県の「くまモン」など全国から35のキャラクターが勢ぞろいし、ステージショーや物販などが行われる予定でした。
市によりますと、去年はこのイベントにおよそ2万8000人が訪れていて、ことしも多くの人出が予想されることから、市などで作る運営委員会は感染を防止するために中止を決めたということです。

イベントに出店する予定で市役所を訪れていたからあげ店の店長は「感染が拡大し大きな騒ぎになっているので、『やっぱりな』という思いと『残念だ』という思いが半々です。また流行が収まった時にこうしたイベントを開いてほしい」と話していました。

佐野市都市ブランド推進室の泉田尚男さんは「イベントで台風19号から復興した様子を見てもらいたかったのですごく残念です。流行が終息したら別の形でイベントを開きたい」と話していました。

各地のご当地キャラもコメント
さのまるの誕生日のイベントが中止になったことを受けて、参加予定だった全国各地のご当地キャラクターからコメントが寄せられています。

埼玉県深谷市のイメージキャラクター「ふっかちゃん」はツイッターで「イベントすごく楽しみだったから残念だけど、みんなの安全が一番だよぉ。また誘ってねぇ!」とコメントしています。

また、埼玉県志木市のご当地キャラクター「カパル」は「残念だおね。さのまる氏、またなんかあったら誘っておねー!!」とコメントしています。

福岡 柳川 五輪・パラに向けた交流事業中止

新型コロナウイルスの感染が広がる中、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、福岡県柳川市で予定されていた海外との交流事業が中止になったことが市への取材で分かりました。

柳川市は、東京オリンピック・パラリンピックで、県内のほかの自治体とともにオセアニアの15の国と地域のホストタウンになっています。

その一環として、柳川市では18日から4日間の日程で、キリバスやバヌアツなどの4人の外国人が柳川名物の観光川下りを体験したり、専門学校の学生と交流したりする政府主催の事業が予定されていました。

しかし、新型コロナウイルスの感染が広がる中、政府から交流事業の中止を決めたとの連絡があったことが市への取材で分かりました。

柳川市は「来ていただける前提で準備を進めていたので、中止は残念だが致し方ない。また機会があれば、交流を続けていきたい」としています。

柳川市と同様にオセアニアの15の国と地域のホストタウンになっている福岡県みやま市は、予定していた海外からの受け入れをやめ、国内に住むパプアニューギニアとマーシャル諸島からの留学生合わせて2人を18日から受け入れて、交流事業を行っています。

和歌山 みなべ町「世界農業遺産」会議など中止に

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国一の梅の産地、和歌山県みなべ町では20日に予定されていた全国から農業関係者が集まって伝統的な農業の保全方法などについて話し合う会議やシンポジウムが中止になりました。

梅の生産が盛んなみなべ町や周辺の地域で400年余り続く梅づくりは、FAO=国連食糧農業機関から「世界農業遺産」に認定されています。

みなべ町では、20日に同じ「世界農業遺産」に認定されている宮城県や石川県など、全国11の地域から自治体関係者や生産者およそ70人が出席する会議や農業の保全の在り方などについて考える一般向けのシンポジウムが予定されていました。

ところが和歌山県内で新型コロナウイルスの感染が確認されたことを受け、町では感染拡大を防ぐためとして予定をすべて中止することを決めました。

みなべ町うめ課の下浦智久課長補佐は「念入りに準備をしていたのに非常に残念です。これからも世界農業遺産を多くの人に知ってもらう活動を続けていきたい」と話していました。

連合 春闘最大規模集会 中止決定

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、連合は春闘の交渉が大詰めを迎える来月3日に開催を予定していた最大規模の集会を中止することを決めました。

ことしの春闘は先月28日に事実上スタートし、賃金引き上げの勢いがどこまで維持できるかや、年功型賃金など日本型雇用の在り方をめぐり、労使の交渉が進められています。

連合は例年、交渉が大詰めを迎える3月上旬に組合員1000人以上を集めた集会を開催していますが、関係者によりますと、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されることから、来月3日に開催を予定していた最大規模の集会の中止を決めたということです。

ほかにもタクシーやバス会社の従業員で作る組合など、複数の労働組合が個別に開催する予定だった決起集会などの中止を、すでに決めているということです。

連合の関係者は「集会という意思統一の場がなくなったことは、影響がないとはいえないが、非常事態と判断した。連合としてはこれまで以上にしっかりと春闘の交渉にあたっていく」としています。