州新幹線 長崎ルート
「特定整備方式前提とせず」

九州新幹線・長崎ルートの整備方針をめぐって、国土交通省は、佐賀県が今後の協議の在り方について確認を求めた文書に対し、「協議はフル規格も含め特定の整備方式を前提としない」などと回答しました。

九州新幹線・長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備方針をめぐっては、去年、与党のプロジェクトチームが「フル規格」が適当だとしましたが、佐賀県はフル規格を前提とした議論に反発しています。

このため、国土交通省と佐賀県は、新幹線をめぐる課題や影響などについて「幅広い協議」を行うことを調整しています。

こうした中、佐賀県は、12日、協議はフル規格を前提とせず、フル規格に誘導するような進め方もしないことなどを確認する内容の文書を国に送り、国土交通省が14日、文書で回答しました。

この中では「幅広い協議」について「フル規格も含め、特定の整備方式を前提とすることなく、5つの整備方式をフラットに並べてしんしに議論していきたい」としています。

また、佐賀県側が県が合意しないかぎり事業を前に進めないよう求めたのに対し、「県の意見のとおりだ」と回答しました。

これについて赤羽国土交通大臣は閣議のあとの記者会見で、「協議に入れないのは当惑している。これですっきりとして、テーブルの上でさまざまなことを話し合ったほうが、よい結論が得られるのではないか」と述べ、速やかに協議を始めたいという考えを強調しました。

佐賀県「回答になっていない」

国土交通省の回答について、佐賀県は「全体を通して与党や長崎県に対する色濃い配慮が感じられる内容で、回答も明確なものではなく、真摯(しんし)に回答いただいたかは非常に疑問だ。われわれが確認したいことの回答にはなっておらず、この内容では協議を始めることは到底できない」としています。

県は、今月19日に開会する県議会での議論を踏まえたうえで、県議会が閉会する来月にも改めて国土交通省に対し再質問をする方針だということです。