毛島 21日から施設
整備に向けた環境調査へ

在日アメリカ軍の空母艦載機の訓練の移転先として防衛省が買収を進めている鹿児島県の馬毛島について、山本防衛副大臣は16日、防衛省を訪れた西之表市の八板市長に対し、施設整備に向けた環境調査を来週21日に始めると伝えました。

馬毛島をめぐっては、防衛省が在日アメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練の移転先として、島の大半を所有する開発会社とおよそ160億円で買収することで一定の合意に達し、買収を進めていて、先月、訓練の移転や施設整備の計画を地元に説明しました。

この計画をめぐり16日、西之表市の八板市長が防衛省を訪れ、山本防衛副大臣と会談し、質問書を手渡しました。

質問書では計画の是非について論じる前に、土地価格の算定の根拠や島の自然や歴史の継承についてただしたいとしています。

八板市長は「調査段階であることなど、事業の具体的内容が明らかになっていないため、軽々に賛否を論じる段階にはない。ただ島について、別の活用策があると考えている」と述べました。

これに対して、山本副大臣は「馬毛島の整備はわが国の安全保障政策にとって重要で、日米同盟の強化、深化にも極めて重要な施設になると考えている。地域住民の皆様にも丁寧な説明を続けさせていただきたい」と述べたうえで、施設整備に向けた環境調査を来週21日に始めると伝えました。

西之表市長「今は判断材料ない」

西之表市の八板市長は会談後、記者団に対し「馬毛島については貴重な自然や宇宙関連への活用なども掲げている。配備する部隊や設備の内容が明らかになっておらず、今の段階で賛否を申し上げるのは早い。市民の中でも賛否があることを考えても、今は判断材料がない」と述べました。