毛島の売却断念 地権者
が文書で防衛省に伝える

在日アメリカ軍の空母艦載機の訓練の移転先として政府が買収を予定している鹿児島県の馬毛島について、地権者側が防衛省に売却する方針を断念すると文書で伝えていたことが分かりました。防衛省は買収の実現に向け、交渉を続ける方針です。

防衛省はことし1月、小笠原諸島の硫黄島で行われている在日アメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練の移転先として、鹿児島県西之表市の馬毛島をおよそ160億円で買収することで島の大半を所有する開発会社と大筋で合意しました。

開発会社ではことし2月に社長が交代していて、その後、今月になって防衛省に対し、売却する方針を断念すると文書で伝えていたことが関係者への取材で分かりました。

文書は今月7日付けで、社長の交代後、防衛省が面談に応じないなどとして「防衛省から縁を切られたものと受け止め、売却する方針を断念し、別案を選択する方針を固めることにした」としています。

防衛省は買収の実現に向け、交渉を続ける方針です。

防衛省 「合意は有効、買収実現に向け交渉継続」

防衛省は「地権者である開発会社との、ことし1月の大筋合意事項は、社長が誰であろうと、会社側と交わしたものであり、現在でも有効だと考えている。馬毛島は、在日アメリカ軍の空母艦載機の訓練の移転先として、防衛政策上、重要な場所だと考えており、正式な合意と買収の実現に向けて交渉を続けていきたい」としています。