20観光相会合 観光客
分散など盛り込んだ宣言

北海道で開かれていたG20の観光分野の閣僚会合は、自然や文化財を保護しながら観光を発展させていくため、訪れる人が多くの地域に分散するよう取り組むことなどを盛り込んだ宣言を採択して閉幕しました。

G20の観光分野の閣僚会合は、北海道倶知安町で26日まで2日間討議を行い、閉幕しました。

採択された宣言では、観光客の急増によって地元住民との間でトラブルになる「オーバーツーリズム」の問題を念頭に、観光の成長は、自然保護や環境、インフラや混雑対策などの面で数々の困難を生み出すとしています。

そのうえで、こうした課題に対応するため、地域の自然や文化財を保護しながら訪れた人に体験してもらえるようにするとともに、観光客が多くの地域に分散するように取り組みを推進していくとしています。

さらに、観光に関するデータを集めて共有し、観光客が安心して便利に旅行ができるように最新のデジタル技術を活用していくとしています。

また、宣言では観光は、自然災害などの影響を受けやすく災害からの回復は、世界共通の課題だとしたうえで、観光分野での防災や復興の取り組みについて先進的な事例を調べて共有するなど各国が連携すべきだとしています。

議長を務めた赤羽国土交通大臣は、記者会見で「地域住民への配慮や文化遺産、環境の保護は各国共通の課題で、持続可能な観光に向けてともに行動していく決意が確認できた。来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて観光政策を磨き上げたい」と述べました。