方四島の観光ツアー
「今月下旬以降で調整」

北方四島での共同経済活動に関連して予定されていた、試験的な観光ツアーがロシア側の事情で延期されたことについて、菅官房長官は、今月下旬以降できるだけ早く実施するため、ロシア側と調整を進める考えを示しました。

北方四島での共同経済活動を進めるため、政府は11日から国後島や択捉島を巡る初めての試験的な観光ツアーを行うことにしていましたが8日、ロシア側からの要請で延期されることになりました。

これについて菅官房長官は、午後の記者会見で「今後のツアーの実施について、ロシア側も再調整したいとの立場だったので、今月下旬以降、できるだけ早く実施すべく調整したい」と述べました。

そのうえで「領土問題を解決し、平和条約を締結するため、共同経済活動のパイロット・プロジェクトの実施をしっかり進めていく」と述べました。

ロシア外務省「新たな日程を」

ロシア外務省は9日、コメントを発表し、延期の理由について「ツアーを組む上で技術的な問題が双方にあった」と説明しました。

一方で「ツアーの準備は進めている。外交ルートで最終調整したあときわめて近い将来に新たな日程を発表する」として、ロシアとしてもツアーを実現させたいという考えを示しました。

今回のツアーでは国後島と択捉島で景勝地や温泉などを訪れる計画で、日本側としてはツアーを通じて共同経済活動を進める上での課題を洗い出し、平和条約の締結に向けた機運を高めたい考えです。