院予算委 貿易協定や
関電問題めぐり論戦

国会では10日から衆議院予算委員会で質疑が始まりました。午後の委員会では、日米の新たな貿易協定や関西電力の問題などをめぐって論戦が行われました。

衆議院予算委員会の午後の質疑では公明党と野党側が質問に立ちました。

公明党の石田政務調査会長は日米貿易協定について、「非常にいい合意だったと思うが評価していない人もいる。日本のメリットは何か国民に語っていただきたい」と求めました。

これに対し安倍総理大臣は「幅広い工業品についてアメリカの関税削減・撤廃が実現し、日本の自動車と自動車部品に追加関税が課されないことを直接トランプ大統領と確認した。農林水産物は過去に約束したものが最大限だとした去年9月の共同声明に沿った結論が得られ、ウィンウィンの形になった」と述べました。

また石田氏が協定発効に伴う国内対策として補正予算案の編成を提案したのに対し、安倍総理大臣は「現段階で具体的に想定しているものではないが、今後適切に判断したい」と応じました。

野党側は立憲民主党などと会派を組む国民民主党の玉木代表が最初に質問しました。

玉木氏は日米貿易協定をめぐり、「共同声明では『協定が誠実に履行されている間、協定および共同声明の精神に反する行動はとらない』ということだが、協定の精神は何なのか。日本車への追加関税の回避は本当にできているのか。どこに明記されているのか」と追及しました。

これに対し、安倍総理大臣は「私とトランプ大統領との間で追加関税を課さないことと確認した。両首脳と両外相の少人数会合で確認し、大人数の会合でも確認した。これは首脳間の約束であり、極めて重いものだ。ただの口約束ではない」と述べました。
また馬淵 元国土交通大臣は関西電力の問題について、「今回の疑惑がきょうまで進めてきた原発政策の信頼性の根幹に関わる問題だという認識はあるのか」とただしました。

これに対し安倍総理大臣は「今回の問題で関西電力が利用者から不信を持たれている事態は重く受け止めなければならず、まずは独立した第三者の目を入れて徹底的に全容を解明したうえで経営問題も含め、再発防止などの措置を講じて信頼回復に努めるべきだ」と述べました。

一方、この問題を調査する第三者委員会について菅原経済産業大臣は「経済産業省としては可及的速やかに調査結果の取りまとめをお願いしたいという思いは変わらない」と述べました。

衆議院予算委員会は11日も野党側の質問が行われます。

国民 玉木氏「日米貿易協定 承認できない」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し、「まともに答えず、あたふたしていて、痛いところを突かれたのかなと思う。安倍総理大臣に『一番何を実現したいか』と質問したが、『憲法改正』とは答えず、熱意があまり感じられなかった」と述べました。

また、日米の貿易協定について「日本がアメリカに譲歩する国だと思われたら各国との交渉力を著しく失い、実害が生じる。日本の貿易方針を根っこから壊すような内容の協定は承認できない」と述べました。