朝鮮 新型ミサイル3種
含まれる可能性 防衛相

北朝鮮が発射を繰り返している弾道ミサイルなどについて、岩屋防衛大臣は、発射された短距離弾道ミサイルには3種類の新型ミサイルが含まれていた可能性があるという分析結果を明らかにしました。

北朝鮮はことし5月以降、短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返していて、この間の発射は9回、18発に上っています。

これについて、岩屋防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「現時点までに得られた情報を総合的に勘案すると、新型と推定される2種類の短距離弾道ミサイルが含まれていると分析している。外形や発射方式、航跡などさまざまな条件から判断した」と述べました。

そのうえで岩屋防衛大臣は、先月10日と16日に発射された合わせて4発の短距離弾道ミサイルは、これとは別の新型の可能性があり、一連の発射で3種類の新型ミサイルが含まれていた可能性があるという分析結果を明らかにしました。

岩屋大臣は「北朝鮮がミサイル関連技術の能力向上を図っていると推定しており、わが国の安全保障に影響が無いように最善を尽くしていく」と述べました。

一連のミサイル発射の実態は

防衛省によりますと、北朝鮮は、ことし5月以降、短距離弾道ミサイルなどを合わせて9回、いずれも2発ずつ発射していて、この中に3種類の新型ミサイルが含まれていた可能性があるということです。

このうち、5月4日と9日、7月25日、それに8月6日に発射されたものは、外形などが似ていることから、同じ系統の新型の短距離弾道ミサイルと推定しています。

また、低空で飛行し変則的な軌道で落下する、ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に類似しているとの指摘があるとしています。

また、8月24日に発射された短距離弾道ミサイルは、これとは別の新型だと推定しています。

北朝鮮の国営メディアは、新たに開発した「超大型ロケット砲」の発射実験を実施したと発表しています。

一方、8月10日と16日に発射した飛しょう体について、防衛省は、「さらに分析が必要だ」としていますが、外形などから、さらに別の新型の短距離弾道ミサイルの可能性があるとしています。

また、アメリカが保有する「ATACMS」というミサイルに類似しているという指摘があるとしています。

このほか、北朝鮮は7月31日と8月2日にも飛しょう体を発射し、北朝鮮の国営メディアは、「新たに開発した大口径のロケット砲の発射実験を行った」と発表していて、防衛省が分析を進めています。

一連の発射は、発射場所や飛しょう距離がさまざまで、高度は、8月24日に発射されたものを除きいずれも100キロ未満と、従来の弾道ミサイルよりも低かったということです。

防衛省は、北朝鮮が発射場所を変えて、異なる種類のミサイルを発射することで、ミサイル技術の高度化を図っていると分析していて、情報収集や警戒監視を強めています。