日韓外相会談 題解決に
向け意思疎通の継続を確認

中国で行われた日韓外相会談で、河野外務大臣は太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で国際法違反の状況の速やかな是正を重ねて求めました。
そして、問題の解決に向けて外交当局間で意思疎通を続けていくことを確認しました。

日韓関係が悪化する中、河野外務大臣と韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相の会談は、訪問先の北京郊外で日本時間の午後3時ごろから、およそ40分間行われました。

今回は、日本政府が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外する決定を行ってから最初の会談となりました。

会談で河野大臣は、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について「日韓の間の最大の問題であり、韓国側の責任で、国際法違反の状態を早急に是正すべきだ」と求めました。

そして、問題の解決に向けて、外相どうしも含め、外交当局間で意思疎通を緊密に続けていくことを確認しました。

また、短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返す北朝鮮に対して、連携して対応することで一致しました。

さらに会談では、カン外相が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外する日本政府の決定を撤回するよう改めて求めたのに対し、河野大臣は日本側の立場を説明し、調整は当局間に委ねる考えを伝えました。

また、河野大臣は、韓国国内で日本に抗議する集会や日本製品の不買運動が続いていることについて、「深く懸念している」と述べ、韓国に滞在する日本人の安全の確保も含め、適切な対応を求めました。

一方、会談では、自動更新するかどうかの期限を3日後に迎える両国の安全保障上の機密情報を共有・保護するための協定=「GSOMIA」の取り扱いについても協議が行われました。

河野外相「解決に向けて前進を」

河野外務大臣は会談後、記者団に対し「外交当局間では問題を解決しなければならないという認識は以前から共有しており、解決に向けて前進させていきたい」と述べました。

また、「GSOMIA」について「日米、あるいは日米韓にとって非常に重要な枠組みだと思うので、しっかり維持していくべきものだと思う」と述べました。

カン外相 GSOMIA継続めぐるやり取り認める

河野外務大臣との会談を終えた韓国のカン外相は、報道陣から今月24日に自動更新するかどうかの期限を迎えるGSOMIAについて話し合ったのか問われると「はい」とのみ答え、両国の間でやり取りがあったことを認めました。

その一方、GSOMIAの継続について問われるとカン外相は「話すことはない」と述べ、会場をあとにしました。