御座“政教分離に照らし
問題ない” 内閣法制局長官

先週開かれた政府の式典委員会の議事概要が公表されました。横畠内閣法制局長官は、天皇陛下が即位を内外に宣言される儀式で「高御座」を用いることについて、皇位と結び付いた古式ゆかしい調度品であり、憲法で定めた政教分離の原則に照らして問題ないという認識を示していました。

皇位継承に伴う一連の儀式などの検討を行う政府の式典委員会は先週20日、天皇陛下が即位を内外に宣言される儀式「即位礼正殿の儀(そくいれい せいでんのぎ)」や、祝宴にあたる「饗宴の儀」など、今後行われる儀式の式次第の概要を決定しました。

公表された議事概要によりますと「即位礼正殿の儀」について、横畠内閣法制局長官は「皇位の世襲制をとるわが国の憲法のもとで、天皇陛下がご即位を公に宣明され、内外の代表がことほぐ儀式であり、宗教上の儀式としての性格を有するものではない」と述べました。

そのうえで、儀式で「高御座」を用いることについて、「皇位と結び付いた古式ゆかしい調度品として伝承されてきたものと理解している」と述べ、憲法で定める政教分離や国民主権の原則に照らして、問題ないという認識を示していました。

また、杉田官房副長官は、前回・平成への代替わりの際の儀式は、現行憲法下で十分な検討が行われたもので、基本的な考え方は踏襲すべきだとして、儀式が行われる皇居・宮殿の「松の間」で総理大臣が祝いのことばを述べ、万歳三唱を行うのは適切だと述べました。

一方、杉田副長官は、一連の式典で多くの外国元首や祝賀使節が日本を訪れることから、式典の円滑な進行を図るためには大規模な交通規制などの対策が必要だとして、関係省庁に検討を指示する考えを示しました。