ージス・アショア
防衛相が秋田県知事に陳謝

新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備をめぐり、調査データにミスがあったことなどで地元から反発が広がっているのを受けて、岩屋防衛大臣は17日秋田県を訪れて佐竹知事と会談し、陳謝したうえで配備への理解を求めました。佐竹知事は、現状では配備に関する協議には応じられないという考えを示しました。

「イージス・アショア」の配備をめぐり、秋田市に関する調査データにミスがあったほか、住民説明会で職員が居眠りしたことなどに、地元では反発が広がっています。

岩屋防衛大臣は秋田県庁で佐竹知事と会談し、「防衛省としての姿勢が問われる事態が生じ、誠に申し訳なく、深くおわび申し上げる。整備推進本部を立ち上げ、体制を抜本的に強化する」と述べたうえで、実地に測量する再調査を行うことを明らかにしました。

そのうえで「イージス・アショアは必要不可欠で、信頼を回復できるよう真摯(しんし)に取り組みたい」と述べ、配備への理解を求めました。

これに対し、佐竹知事は「住民の怒り、不信感などを踏まえると、防衛省の作業はマイナスからのスタートだ。丁寧な説明と言うより、正確な説明をしてほしい」と述べました。

そのうえで「ほかの調査地について、地形の適性やインフラ整備のコストなどを比較できるよう、スタートに戻って検討してほしい。それがないかぎり、協議に入ることはできない」と述べ、現状では配備に関する協議には応じられないという考えを示しました。

岩屋防衛相 秋田市長にも陳謝

岩屋防衛大臣は午後、秋田市役所を訪れ穂積市長とも会談して重ねて陳謝しました。

穂積市長は「防衛省の信頼感を失う結果になり残念だ。住民は、配備先が秋田市の新屋演習場ありきではないかと感じている」と述べました。

そのうえで、これまでの説明で津波の影響について、ほかの調査地は記載があるのに秋田市分は記載がないことや、レーダー照射が海側にあたる西方向だけでなく、東側もあり得るとしたことも地元の不信を生んでいると指摘し、再検証を求めました。

これに対し岩屋大臣は「決して、秋田市ありきではない。来年度予算案でも、地元の理解がないまま、配備を前提としたものは計上しない」と述べたうえで、秋田市分の津波対策は、地形の起伏を平らにする敷地造成に合わせ、かさ上げを行い影響を回避できると考え、資料に記載していなかったと釈明しました。

また、万が一日本上空を通過するミサイルが発射された場合、追跡のためレーダー照射が東向きになることはあり得るとして理解を求めました。

会談後、岩屋大臣は記者団に対し「さまざまな要素を検討した結果、秋田市の演習場が適地と判断し、この段階でそれを変える材料はないが、まずは信頼回復が第一で、他の国有地もさらに調査し、正確なデータで説明し直したい。信頼回復は簡単でないが全力を挙げたい」と述べました。

共産 小池氏「岩屋防衛相は信任に値せず」

共産党の小池書記局長は記者会見で岩屋大臣について「イージス・アショアの問題だけではなく、辺野古の新基地建設で、圧倒的な民意が示される中、全く聞く耳を持たず、土砂の投入を続けているという問題もあり、信任に値しない大臣だということは、言うまでもない。不信任決議案などをどう出していくかは、野党間でよく相談したい」と述べました。