別監察委メンバー
入れ替えを」野党6党派

厚生労働省の統計不正問題をめぐって、立憲民主党など野党6党派の国会対策委員長が会談し、調査を行った「特別監察委員会」の独立性の担保が不十分だとして、メンバーを替えて、調査をやり直すべきだといった意見が相次ぎました。

厚生労働省の統計不正問題をめぐって、外部の有識者でつくる「特別監察委員会」の調査では、厚生労働省の職員だけで行ったケースがあったほか、元幹部らへの調査には、官房長らが同席していました。

立憲民主党など野党6党派の国会対策委員長が会談し、「特別監察委員会」の独立性の担保が不十分だとして、メンバーを替えて、調査をやり直すべきだといった意見が相次ぎました。

また、「政府からの情報開示が少なすぎる」といった指摘も出されました。

そして、午後行われる各党の代表質問に対する安倍総理大臣や根本厚生労働大臣の答弁を見極めたうえで、今後の対応を、改めて協議することになりました。

立憲民主党の辻元国会対策委員長は、「根本大臣は、今の問題の深刻さが分かっていない。根元が腐っていたら、全部だめだ」と述べました。

官房長官「第三者の視点から判断」

菅官房長官は、午前の記者会見で、「今般の事案については先週木曜日の国会審議でのさまざまな指摘も踏まえて、現在、特別監察委員会の委員によるヒアリングなどの調査を行っていると承知している。調査の具体的な方法や進め方は第三者の視点から委員が調整して判断し、対応されるものだろうと考える」と述べました。

また、菅官房長官は、今回の問題について報告を受けた時期を問われ、「私は、昨年12月28日だ」と述べました。

自民 岸田氏「国民が納得できる形を」

自民党の岸田政務調査会長は、記者会見で、「特別監察委員会による検証のやり方が、統計調査の信頼を回復するという、本来の趣旨に沿うものだったのか疑問を感じる。厚生労働省の関係者が、その場に1人たりともいてはならないとまで言うべきか分からないが、国民が納得できる形を示すことが大事だ。厚生労働省には信頼回復に向けて努力してもらいたい」と述べました。

国民 原口氏「強く抗議したい」

国民民主党の原口国会対策委員長は、記者会見で、「政治が統計をゆがめたのではないか。第三者調査を装った厚生労働省の不届きな行為のため、解明がさらに遅れていることにも強く抗議したい。厚生労働大臣を罷免し、安倍総理大臣も、問題の処理を完璧に誤っていると思うので、一刻も早く、お引き取りいただきたい」と述べました。

維新 遠藤氏「特別委員会を」自民に申し入れ

日本維新の会の遠藤国会対策委員長は30日午後、自民党の森山国会対策委員長を訪ね、厚生労働省の統計不正問題をめぐって意見を交わしました。

遠藤氏は、新年度予算案などの審議と並行して問題の真相究明を急ぐ必要があるとして、衆議院に特別委員会を設置するよう申し入れました。

これに対し、森山氏は「できるだけ参考にして、予算成立と真相究明を両立したい」と述べました。

このあと、遠藤氏は記者団に対し、「チェック機能を果たす国会議員の職責に与党か野党かは関係ない。徹底的に再発防止策などを考えるべきだ」と述べました。