計不正問題のきっかけ
別の不正の是正のためか

統計不正問題で最初に発覚した厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の不正は、それ以前に行われていた別の不正を是正しようとした結果始まった可能性があることが分かりました。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」では、大規模な事業所はすべてが調査対象となっていますが、東京都内では3分の1しか調査していなかったことが分かり、雇用保険などの給付額に影響が出ています。

厚生労働省は30日、政府の統計を所管する総務省の統計委員会に問題のいきさつなどを説明しました。

それによりますと、平成16年から大規模事業所での不正な調査が行われていましたが、前の年の平成15年までは中規模の事業所の調査で別の不正が行われていました。

中規模の事業所では一部を抽出して調査することになっていますが、本来より調査対象の事業所を少なくしていたということです。

厚生労働省によりますと、この不正を是正しようとした結果、調査を行う事業所の数が増えて負担も増すことになったため、その代わりに大規模事業所の調査数を減らした可能性があるということです。

厚生労働省は、統計的な処理が行われていたため、この不正に関しては調査結果の修正は必要ないとしています。

報告を受けた総務省の統計委員会の西村清彦委員長は「遺憾だとしか言いようがない。問題がさらにさかのぼってしまったことは衝撃だ」と話しています。