部町から許可申請の
受け取り拒まれた」防衛相

沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄防衛局が埋め立て予定地への土砂の投入に向けて港の使用許可を求める手続きを始めたことが関係者への取材でわかりました。しかし、港がある地元自治体は、台風で港の一部が壊れていることなどを理由に許可を出すのは難しいとしていて、防衛局が対応を検討しています。

アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、石井国土交通大臣が沖縄県による埋め立て承認の撤回の効力を一時的に停止する決定を出し、沖縄防衛局は、1日、立ち入り禁止区域を示すフロートの設置を始めるなど工事を再開しました。

さらに、防衛局が、埋め立て予定地への土砂の投入に向けて、土砂の運搬に使う港の使用許可を求める手続きを、作業を請け負った業者を通じて港がある沖縄県本部町に対して始めたことが関係者への取材でわかりました。港の使用許可は、県による撤回の間に期限が切れたため、今回、改めて申請するということです。

しかし、町では、ことし9月の台風で港の一部が壊れ、壊れていない部分もほかの港湾業者にすでに使用許可を出しているため割り当てるスペースがなく、新たに許可を出すのは難しいとしています。

国と県との間では土砂は海上から運ぶことが決められていて、港が使えない場合、今後の工事に影響が出る可能性があり、防衛局が対応を検討しています。

岩屋防衛相「引き続き町との調整進める」

普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄県が行った埋め立て承認の撤回の効力を、石井国土交通大臣が一時的に停止する決定を行ったことを受けて、防衛省は1日、埋め立て予定地での工事を2か月ぶりに再開させ、沖縄県側は強く反発しています。

これについて岩屋防衛大臣は記者団に、「抑止力を維持したうえで沖縄の負担を軽減していくのが目標であり、普天間基地の固定化を避けるためにも前に進めさせてほしい。あらゆる機会を捉え、沖縄側に丁寧に説明していく」と述べ、理解を求めました。

一方、海に投入する土砂を運ぶための港の使用をめぐり、地元自治体が許可を出すことは難しいとしていることについて、岩屋大臣は「港がある本部町から許可申請の受け取りを拒まれた。台風の被害を受けていることなどを理由に、沖縄県から『新たな申請は受けないように』と指導されたということだったが、引き続き本部町との調整を進め、速やかに使用許可を得たい」と述べました。