“教員に残業代払わない法律” 教員などが国に抜本的改善要望

教員に残業代を支払わないことを定めた「給特法」という法律が長時間労働の要因になっているとして、教員や識者などでつくる団体が、文部科学省に対し抜本的な改善を要望しました。

3月16日、教員や識者など有志でつくる団体が、およそ8万人分の署名とともに要望書を文部科学省に提出しました。

「給特法」は公立学校の教員の給与について定めた法律で、月給の4%分を上乗せする代わりに残業代は支払わない仕組みになっています。

要望書では、残業代が支払われないことで時間管理の意識が働かず、長時間労働の要因になっているとして、使用者側に残業を含めた労働時間の厳格な管理を義務づけることや、残業代を支払うことなど、廃止も含めた抜本的な改善を求めています。

岐阜県の県立高校に勤める西村祐二教諭は「学校現場には、誰かがやらないといけない業務が山のようにあり、教員が責任感から引き受けざるをえない状況だ。残業がない職場になれば、より多くの若者が志望してくれると思う」と訴えました。

文部科学省は、ことし春に公表される見通しの教員の勤務時間についての調査結果などを踏まえ、給特法の見直しについて議論することにしています。