政府税制調査会 相続税・贈与税見直しへ 手続き簡素化など提言

政府税制調査会は専門家による会合で、相続税や贈与税の見直しに向けた議論の結果をまとめ、高齢者から若い世代への資産の移転を促すため、手続きの簡素化など制度の使い勝手を向上させることなどを提言しました。

先月から相続税などについて議論してきた政府税制調査会の専門家会合は、8日の総会で議論の結果を報告しました。

この中では、高齢者から若い世代への資産の移転を促し、経済を活性化させるため、現在、実施されている「相続時精算課税制度」の使い勝手を向上させるべきだとしています。

この制度は生前の贈与を促すため、贈与の際の一定額を非課税としたうえで、相続の際に一括して精算する制度ですが、納税者の手続きの負担を軽くするため、少額の贈与については、課税の対象としないことも考えられるとしています。

その一方で、祖父母らから孫の教育目的で資金援助を受けた場合に、贈与税を非課税としている措置については、受け取った若い世代の格差が広がりかねないとして、廃止する方向で検討するのが適当だとしています。

政府税制調査会はこうした内容を与党の税制調査会に報告し、年末にかけて行われる来年度の税制大綱の取りまとめに向けた議論に反映させたい考えです。