国連安保理 常任理事国目指す日本 ドイツ ブラジル インドが外相会合

国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指す、日本、ドイツ、ブラジル、インドの4か国は外相会合を開き、安保理改革の実現に向けて関係国と連携しながら早期に具体的な成果を目指すことで一致しました。

ニューヨークでの国連総会にあわせて、日本時間の9月23日朝、国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指す日本、ドイツ、ブラジル、インドの4か国は外相会合を開き、日本からは林外務大臣が出席しました。

会合では、ロシアによるウクライナ侵攻によって国際秩序の根本が揺らいでいるという認識を共有し、安保理改革の実現に向けて意見を交わしました。

この中で林大臣は、安保理改革を進めるにあたっては、総会や事務総長を含めた国連全体の機能強化を図る中で機運を高めていく必要があると指摘しました。

そして4人の外相は、アフリカやアメリカなどの関係国と連携しながら早期に具体的な成果を目指すことで一致しました。

会合のあと林大臣は記者団に対し「安保理改革は各国の立場の違いもありこれまで大きな進展が得られていないのも事実だが、関係国とよく意思疎通を図りながら早期に進展が得られるよう努力したい」と述べました。

クアッド外相会合 常任理事国拡大含め国連改革で一致

日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組み、クアッド(QUAD)の外相会合が開かれ、中国を念頭にいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対することを改めて確認するとともに、国連安全保障理事会の常任理事国の拡大を含め国連改革を進めていくことで一致しました。

ニューヨークでの国連総会に合わせて日本時間の9月23日夜開かれた会合には、林外務大臣、アメリカのブリンケン国務長官、オーストラリアのウォン外相、インドのジャイシャンカル外相が出席しました。

会合ではインド太平洋地域の情勢をめぐって意見を交わし、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、いかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対することを改めて確認しました。

その上で「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、引き続き連携を図ることで一致しました。

また林大臣はロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえ「国際秩序が揺らぎパンデミックや食料安全保障などの課題に国際社会が直面する中、安保理改革を含む国連全体の機能強化が重要だ」と主張しました。

そして4人の外相は、安全保障理事会の常任理事国と非常任理事国の拡大を含め国連改革を進めていくことで一致しました。

さらに▼「ランサムウェア」と呼ばれる身代金要求型の悪質なプログラムに連携して対処することや▼人道支援や災害救援の分野で協力を深めることも確認しました。

日米韓外相会談 北朝鮮さらなる挑発行為には毅然と対応を確認

日本、アメリカ、韓国の外相がニューヨークで会談し、北朝鮮が核・ミサイル活動を活発化させていることに深刻な懸念を表明したうえで、さらなる挑発行為が行われた場合には、毅然と対応することを確認しました。

国連総会のためニューヨークを訪れている林外務大臣は、日本時間の9月23日未明、アメリカのブリンケン国務長官、韓国のパク・チン外相とおよそ50分間、会談しました。

この中で、3人の外相は北朝鮮が核・ミサイル活動を活発化させていることに深刻な懸念を表明したうえで、さらなる挑発行為が行われた場合には毅然と対応することを確認しました。

そのうえで、日米同盟や米韓同盟の抑止力を高めるとともに、3か国の安全保障協力を進めていくことで一致しました。

また、中国の海洋進出や経済的な威圧を念頭に、太平洋の島しょ国に対してニーズを踏まえながら支援を行うことや、ルールに基づく経済秩序を強化していくことを確認しました。

一方、ウクライナ情勢をめぐっては、ロシアの軍事侵攻を非難したうえで、力による威圧に対して断固とした対応をとり、ウクライナへの支援を継続することを改めて確認しました。

NY訪問の韓国大統領が「暴言」ネットで拡散し韓国国内で批判

国連総会に合わせてニューヨークを訪問していた韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の暴言がテレビカメラに捉えられ、ネットで拡散し韓国国内で批判を浴びています。韓国の野党が批判を強める一方、政府は火消しに追われています。

韓国のユン・ソンニョル大統領は9月21日、国連総会に合わせて訪れていたニューヨークでバイデン大統領主催の会合に出席しました。

このとき閣僚らに話しかけたことばがテレビカメラに捉えられ、映像はネットで一気に拡散しました。韓国メディアは、ユン大統領が「この野郎」などと暴言を吐き、アメリカ議会の議員を指したものだと指摘しています。

韓国の野党は「国家の品格が大きく失墜した」とか「同盟国への冒とくだ」などと批判を強めています。

一方、韓国政府は「発言はアメリカ議会の議員のことではなく、韓国の野党に対する懸念を示したものだ」などと釈明し火消しに追われています。

ユン大統領は、その前日の20日に、国連総会で初めてとなる演説を行うなど、今回のニューヨーク訪問を外交面での成果とアピールしたい考えでしたが、自身の発言でつまずく形となっています。