親ロシア派のハッカー集団 “日本政府に宣戦布告” 動画投稿

6日、日本政府が運営するウェブサイトなどへのサイバー攻撃を主張した親ロシア派のハッカー集団が、日本時間の午後6時半前、SNS上で「日本国政府全体に宣戦布告」などと述べた動画を投稿しました。

親ロシア派のハッカー集団「キルネット」は6日、SNS上で日本政府や企業などのサイトに対して、サイバー攻撃をしかけたと主張しています。

さらに、日本時間の7日午後6時半前、SNS上で仮面をかぶった人物が主張を展開する動画を投稿しました。

動画は日本語の字幕がついていて「ロシアはヨーロッパの価値観と米国が思いついた危険なゲームから国民を保護しています。日本人は、いまだに反ロシアキャンペーンを行っている!日本国政府全体に宣戦布告」などと述べています。

専門家“DDoS攻撃に対応できる備えを幅広く整えて”

情報セキュリティーの専門家は、政府機関や企業に対してDDoS攻撃に対応できる備えを幅広く整えてほしいと、呼びかけています。

世界中のDDoS攻撃を観測している情報セキュリティー会社「インターネットイニシアティブ」の堂前清隆シニアエンジニアによりますと、今回の攻撃に関わる直接的なデータは観測できていないということですが、ぜい弱性を抱えた世界中のIoT機器などを乗っ取り、攻撃に悪用する「ボットネット」が活用され、大量の通信がウェブサイトに送り込まれた可能性があると指摘しています。

そのうえで、サーバーなどにアクセスを集中させてダウンさせるDDoS攻撃への対策として、
▼サーバーを分散させて負荷を軽減させる「CDN=コンテンツデリバリーネットワーク」と呼ばれる仕組みや、
▼送られてくる通信が攻撃によるものであるかどうか自動的に分析して遮断するシステムの導入などが考えられるとしました。

また、大規模な攻撃を受けた場合には、通信事業者と連携して通信を制限するなどの対応をとることもできるほか、攻撃を受けてサイトがダウンしても、SNSなどで必要な情報を発信する手段を確保することも、サイトの運営者にとっては重要だと指摘しました。

堂前さんは「サイトが攻撃を受けることで事業やサービスの何が止まるのか。何度も振り返り、点検していくことが必要だ」とサイバー攻撃への備えを呼びかけています。