共通テスト 追試験で対応
感染や避難指示影響の受験生

16日までの2日間の日程で実施された「大学入学共通テスト」は、感染拡大に加え、受験生らが切りつけられる事件で警備が強化され、津波警報や注意報が発表される異例の状況の中で受験生が試験に臨みました。

大学入試センターは、感染や避難指示などの影響で受けられなかった受験生について追試験で対応することにしています。

およそ53万人が出願した「大学入学共通テスト」は、2日目の16日、津波警報が出された影響で岩手県の会場の1つで試験が中止されましたが、そのほかの676の会場で2日間の日程を終了しました。

ことしの共通テストは、急速な感染拡大に加え、初日は東京 文京区の東京大学の前で受験生など3人が切りつけられる事件が起きて全国で警備が強化され、さらに津波警報や津波注意報が発表されるという、異例の状況の中での実施となりました。

このため試験を実施する大学入試センターは、陽性者や濃厚接触者となったり避難指示などの影響を受けたりして試験を受けられなかった受験生については、追試験で対応するとしています。

このうち、避難指示などの影響で受験できず追試験を希望する場合は、17日の午後5時までに大学入試センターに連絡してほしいと呼びかけています。

また文部科学省は、事件で被害に遭った受験生についても、本人の意向やけがの状況を確認したうえで、受験機会の確保に向け最大限対応するとしています。

追試験は1月29日と30日に全国48か所の会場で行われます。

津波警報 避難先で一夜明かした受験生も

大学入学共通テストの試験会場となっていた鹿児島県奄美大島の高校では、一時、津波警報が出たため、避難先で一夜を過ごした受験生も2日目の試験に臨みました。

試験会場の鹿児島県奄美市の大島高校では、16日に2日目の大学入学共通テストが午前9時半から予定どおり行われ、およそ230人が試験に臨みました。

16日未明に津波警報が出されたため、避難先で一夜を明かした受験生もいて、疲れ切った様子で会場をあとにしていました。

受験生の1人は「山に避難していて夜も十分に睡眠がとれなかったので無事に終えることができてほっとしています」と話していました。

また別の受験生は「きょうは避難所から制服に着替えて試験を受けに来ました。いろいろなことがありすぎて、もう何も感じられなくなり疲れました」と話していました。