「酸素ステーション」
運用開始 東京 渋谷区

東京都内で新型コロナウイルスに感染して自宅で療養する人が急増する中、都は、救急隊が軽症と判断した人を一時的に受け入れて酸素投与を行う「酸素ステーション」を渋谷区内に新たに整備し、23日から運用を始めました。

運用が始まったのは、渋谷区にある都の施設「都民の城」に整備された「酸素ステーション」です。

自宅療養中にみずから救急搬送を要請した人のうち、救急隊が軽症と判断した人を一時的に受け入れて酸素投与を行う施設で、重症化を防ぐとともに救急隊や保健所の負担を軽減するねらいがあります。

酸素を投与しても容体が悪化すれば入院を検討し、安定すれば自宅に戻ってもらいます。

このステーションには酸素投与を行う「酸素濃縮装置」を備えた130の病床が設置され、医師2人から3人と、看護師25人が常駐し、夜間も含めて24時間で対応します。

都は、こうした軽症の人を受け入れるステーションをさらに2か所設置し、400床まで拡充したいとしています。

「酸素ステーション」をめぐっては、都は、このほかにも整備を進めていて、搬送先が見つからない救急隊からの要請に応えるための病床として、都立、公社の11の病院で36床を確保し、今月14日から運用を始めています。

また、入院調整中の中等症の患者に酸素投与を行う病床として、公社荏原病院と公社豊島病院にそれぞれ40床を確保し、このうち荏原病院では21日、運用を始めました。

豊島病院も24日から運用を始めます。

さらに、▽公社多摩南部地域病院でも中等症の患者を24日から受け入れることになりました。
病床の規模は調整中だということです。
都内では22日の時点で、自宅療養者と、入院するか自宅や宿泊施設で療養するかを調整中の人を合わせると、3万9000人を超えています。

「酸素ステーション」の拡充にあたっては医師や看護師の確保が課題となっていて、都は、医師会などとも調整しながら体制の整備を急いでいます。