福島第一原発 放出濃度の
処理水で魚の飼育試験実施へ

福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を海に放出する方針が決まったことを受けて、東京電力は安全性を広く伝えるためとして、放出する際の濃度に薄めた処理水でヒラメなどの魚介類を飼育する試験を来年夏ごろから実施すると発表しました。

トリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、政府は2年後をめどに、トリチウムの濃度を国の基準の40分の1にあたる1リットル当たり1500ベクレル未満まで薄めて海に放出する方針を決定しています。

東京電力は、放出の安全性について広く理解してもらい風評被害を抑えるためとして、海水を加えて1リットル当たり1500ベクレル程度に薄めた処理水を入れた水槽で、魚などを飼育する試験を来年の夏にも始めると発表しました。

飼育するのはヒラメなどの魚や貝類、海藻類で、別に原発周辺で採取した海水だけの水槽も用意して、成育状況や飼育した魚介類の放射性物質の濃度を比較し、結果を公表する計画です。

東京電力は、来年度中には専門家を交えて分析を行うとともに、処理水の放出を始めたあとも試験を継続して、安全性の理解促進に役立てたいとしています。