EU 域外へのワクチン輸出
4割が日本向けで最多

新型コロナウイルスワクチンの域外への輸出を許可制としているEU=ヨーロッパ連合は、これまでにおよそ1億7800万回分の輸出を許可し、全体のおよそ4割が日本向けだと明らかにしました。

EUはことし1月、新型コロナウイルスのワクチンの供給に不安が高まったことを受けて、域外に輸出する際には事前に許可を得ることを義務づける措置を導入しています。

EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は6日、この措置のもとでの輸出の状況を公表し、5月3日までに45の国と地域向けにおよそ1億7800万回分の輸出を許可したとしています。

最も多いのが日本で、全体の4割にあたるおよそ7200万回分となっています。

次いで、イギリス向けのおよそ1850万回分、カナダ向けのおよそ1840万回分となっています。

また、輸出の許可は854件となっている一方、却下したのは1件にとどまっているとして、許可制の目的は域内で製造されたワクチンの流通状況を把握するためであり、規制するためではないとの立場を改めて強調しました。

ワクチンを世界に行き渡らせるには依然、課題が多く、低価格のジェネリックワクチンを自由に生産できるようワクチンの特許権を一時停止すべきかどうかも国際的に議論されています。