私立幼稚園連合会 使途不明
4億円超“刑事告訴も視野”

「全日本私立幼稚園連合会」で、今年度までの4年間に少なくとも4億円を超える資金が使途不明になっていることが明らかになりました。このほか、関連団体の公益財団法人でもおよそ1億4000万円が一時引き出され、去年11月の監査の直前に戻されていたということで、幼稚園連合会は改めて調査を進めるとともに、香川敬前会長の刑事告訴や民事訴訟も視野に、断固とした対応を取るとしています。

全国およそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」をめぐっては、監査が行われた去年9月以降に多額の資金が使途不明になっていることが明らかになり、幼稚園連合会は9日、使途不明金の総額が平成29年度から今年度・令和2年度までの4年間で、少なくとも4億円を超えることを明らかにしました。

また連合会によりますと、幼稚園の保護者などが加盟する関連団体で、河村建夫元官房長官が会長を務める「全日本私立幼稚園PTA連合会」でも今年度、およそ4000万円が使途不明になっているほか、関連団体の公益財団法人「全日本私立幼稚園幼児教育研究機構」では、およそ1億4000万円が一時引き出され、去年11月の監査の直前に戻されていたということです。

連合会は公益財団法人について、令和2年度内に不透明な出入金はあったものの、結果的には資金の流出はなかったとしていますが、改めて調査を進め正確な情報を発信したいとしています。

また、香川敬前会長は去年11月に使途不明金の存在を指摘されたあと辞任していますが、幼稚園連合会は「個人的な流用は断じてしていない」などという香川前会長の弁解は、極めて不合理だとしています。

そして、通帳の偽造に関与したことは、少なくとも私文書偽造罪などに該当する違法行為であることは明らかだとして、今後、香川前会長の刑事告訴や民事訴訟も視野に、断固とした対応を取るとしています。

香川前会長は今月2日、NHKの取材に応じ、「会長として使途不明金を出した管理監督責任があるので辞任したが、口座の管理は事務方が行っており、私自身は1円たりとも資金の流用はしていない。カネが何に使われたのかは全く分からない」と説明しています。