全日本私立幼稚園連合会
使途不明3億2000万円余

「全日本私立幼稚園連合会」で多額の使途不明金が明らかになった問題。使途不明金の総額は少なくとも令和元年度までの3年間で3億2000万円余りに上ることが関係者への取材で新たに分かりました。幼稚園連合会は、9日開かれる全国各地の幼稚園団体の幹部らを集めた会議でこうした内部調査の結果を報告するということです。

全国およそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」をめぐっては、連合会の監査が行われた去年9月以降に多額の資金が使途不明になっていることが明らかになり、使途不明金の存在を指摘されたあと辞任した香川敬前会長らが関わって実際の残高を大幅に水増しした複数の銀行口座の通帳を偽造していたことも分かっています。

幼稚園連合会は、内部に特別委員会を設置し弁護士や公認会計士とともに調査を進めていますが、使途不明金の総額は、少なくとも平成29年度から令和元年度までの3年間で3億2000万円余りに上ることが関係者への取材で新たに分かりました。

関係者によりますと使途が分からなくなっているのは、加盟する幼稚園から集めた会費収入を主な財源にした一般会計や、国際交流や災害対策などのために積み立てた基金だということです。

3億2000万円余りのうち、およそ2億9000万円は口座から現金で引き出され、領収書も見つかっていないということで、残りの3000万円余りは送金記録などから支出先は確認できるものの、必要な手続きをしていないため何の目的に使ったのか分からない状態だということです。

NHKの取材に対し連合会の複数の関係者は「口座から現金が数百万円単位で頻繁に引き出されていた。高額の領収書も一部あったが何の目的で使われたのか分からない」と証言しています。

関係者によりますと、幼稚園連合会は9日開かれる全国各地の幼稚園団体の幹部らを集めた会議で、こうした内部調査の結果を報告するということです。

これまでの取材に対し辞任した香川前会長は「会長として管理監督責任があるので辞任したが、口座の管理は事務方が行っており、私自身は1円たりとも資金の流用はしていない。カネが何に使われたのかは全く分からない」と説明しています。