復興予算31兆円余 新年度
から5年約1.6兆円見込む

東日本大震災の発生から11日で10年です。政府はこれまで、およそ31兆3000億円の予算を投入して、被災地の復興を後押ししてきました。

しかし、被災者の心のケアや、原発事故の避難指示が解除された地域への帰還や移住の支援に取り組む必要があるとして、政府は、復興庁の設置期限を2031年まで10年間延長し、対応することにしています。

これに伴って政府は、新年度・2021年度からの5年間を「第2期復興・創生期間」と位置づけ、予算はおよそ1兆6000億円を見込んでいます。この結果、15年間の予算を足し合わせるとおよそ32兆9000億円に上ります。

この財源については、「復興増税」や政府が保有している株式の売却などによって確保しています。

復興増税について具体的にみてみますと、個人に対しては、所得税額から住宅ローン控除などを引いたあとの金額に、「復興特別所得税」として2.1%上乗せする措置が行われていて、この措置は2037年まで続きます。また、住民税も1人あたり年間1000円増額する措置が2023年度まで続きます。

一方、企業に対しては法人税額の10%分を「復興特別法人税」として上乗せする措置を2012年度に導入しましたが、代わりの財源が確保できる見通しがついたとして、この措置は2014年3月末で終わりました。

そして、政府が保有している株式の売却については、これまでに日本郵政の株式をおよそ2兆8000億円、JT=日本たばこ産業の株式をおよそ9700億円で売却していて今後も2027年度末までに日本郵政や東京メトロの株式の売却を進めるとしています。このほか、国の一般会計の剰余金も活用しています。

このように東日本大震災からの復興には、今後も税金などが投入されていくため、被災地の復興が効果的に進められているか目を向けていく必要があります。