馬毛島 海域ボーリング調査
許可取り消し求め提訴
在日アメリカ軍の訓練用施設の移転が計画されている鹿児島県の馬毛島をめぐって、地元の漁業者の一部が、周辺海域でのボーリング調査を県知事が許可したのは、違法だとして、許可の取り消しを求める訴えを起こしました。
防衛省は、在日アメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練の移転先などとして馬毛島に自衛隊施設を建設する計画で、そのためのボーリング調査を、先月、鹿児島県の塩田知事が許可したことを受けて島の東側の海域の37地点で始めることにしています。
この調査について、地元の漁業者16人が知事の許可は違法だとして、18日、許可の取り消しを求める訴えを鹿児島地方裁判所に起こしました。
訴えで漁業者たちは「防衛省は地元の漁業協同組合の同意を得たとして、許可を申請したが、理事会での同意のみで、組合員全員が参加する総会での決議はしていない。申請は規則に従っておらず、知事の許可は違法だ」などと主張しています。
会見した漁業者の古川正則さんは(68)「調査で海の環境が変わると、漁業への影響があるのではないかと懸念しています。基地整備をやめてほしいです」と話しています。
この漁業者のグループは、今回の裁判とは別に今月11日、東京地方裁判所に調査の中止を求める仮処分を申し立てています。
鹿児島県「コメントは差し控える」
地元漁業者の一部が裁判を起こしたことについて、鹿児島県は「まだ訴状が届いていないためコメントは差し控える」としています。