米軍訓練移転先 馬毛島周辺
調査認める考え 鹿児島知事

在日アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先として防衛省が買収を進めている鹿児島県の馬毛島をめぐり、塩田知事は防衛省による周辺海域での事前のボーリング調査を認める考えを示しました。一方、計画全体についての賛否は示しておらず、今後、対応を検討していくとしています。

馬毛島は鹿児島県の種子島の西およそ12キロにある8平方キロメートル余りの島で、防衛省が小笠原諸島の硫黄島で行われている在日アメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練の移転先などとして自衛隊施設の建設を計画していて、周辺海域での事前のボーリング調査を鹿児島県に申請していました。

これについて、塩田知事は27日の県議会で「法令に沿って審査した結果、本日許可することにしている」と述べ、防衛省による調査を認める考えを示しました。

県によりますと、調査は、土を採取したり岩石を砕いたりする手法で馬毛島の東の海域の37の地点で行われ、期間は来年5月末までとされているということです。

ボーリング調査については、馬毛島での計画に反対している地元、西之表市の八板市長が「漁場の環境に影響が生じる可能性を否定できない」とする意見書を提出していて、塩田知事の判断が注目されていました。

一方、塩田知事は馬毛島での計画全体についての賛否は示しておらず、27日の県議会では「騒音など環境への影響が明確にされていない点がある。国による説明や地元の意見を聞いたうえで県としての考え方を整理し、対応を検討していく」と述べました。