東京 田神保町の古書店
約9割が休業継続

新型コロナウイルスの感染拡大は、古書店にも大きな影響を及ぼしています。世界有数の古書店街として知られる東京の神田神保町ではおよそ9割の古書店が先月から店を閉めていて、経営が厳しさを増しています。

神田古書店連盟によりますと、神田神保町では、130ほどある古書店のうち、およそ9割が先月の緊急事態宣言のあと店を閉めているということです。

ふだんは週に5日開かれている古書の市場も1か月以上、開かれておらず、12日も多くの店のシャッターが下りていて、人通りはまばらです。

休業や自粛の対象になっていない100平方メートル以下の小規模な古書店も、従業員の健康を守ることなどを理由に休業を続けている店が多いということです。

神田古書店連盟の会長、矢口哲也さんも先月16日から店を閉め、古書店の組合で運営しているインターネットサイトを通じて販売を続けています。

先月の売り上げは去年の同じ月の半分以下になったうえ、今月はさらに減る見込みだということです。

矢口さんは「大型連休はいつも多くの人が来るので、かなりの痛手です。こんなに店を閉めることはなかったわけで、皆さんが安心して神保町を訪れることができる日が少しでも早く来るのを願っています」と話しています。

書店・古書店 クラウドファンディングで支援

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、経営が厳しさを増している書店と古書店を支援しようと、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングが始まっています。

「ブックストア・エイド基金」は、作家や編集者などが事務局となって、先月30日からクラウドファンディングへの協力を呼びかけています。

ホームページで「書店も古書店も、もともと厳しい業界です。この状況が長期化すれば、対応しきれずに閉店を余儀なくされる書店・古書店が大量に出てくることは避けがたい」と訴え、最低でも6000万円を目標に資金を募っています。

11日までにおよそ2000万円が集まっているということで、今月29日まで資金を募ったあと、参加している店舗に分配することにしています。

事務局の1人でブック・コーディネーターの内沼晋太郎さんは、「それぞれの生活範囲に書店・古書店があることが文化的な生活に与える影響はとても大きいと思っていて、それを少しでも守っていきたいという気持ちがあります」としたうえで、「本や書店に助けられた、自分の人生が豊かになった、というような経験をした方には、支援を直接いただけるともちろんありがたいですし、SNSなどで話題にしてくださるとか、とにかく今はこの基金を知っていただきたい」と呼びかけています。