処理水の放出開始時期 今月下旬に決定する方向で調整進める

福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画について、政府は、岸田総理大臣のアメリカ訪問後、今月下旬に関係閣僚会議を開き、具体的な放出開始時期を決定する方向で調整を進めています。

福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画について、政府は、先月初めにIAEA=国際原子力機関から「国際的な安全基準に合致している」と結論づける報告書が出されたことを踏まえ、夏ごろまでとしている具体的な放出時期の検討を続けています。

政府関係者によりますと、岸田総理大臣は、今月17日から日米韓3か国の首脳会談のためにアメリカを訪問する際、バイデン大統領や韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領と個別の会談も行って直接、計画を説明し、理解を求める見通しです。

そして、政府は、岸田総理大臣のアメリカ訪問後、今月下旬に関係閣僚会議を開いて、放出開始時期を決定する方向で調整を進めています。

政府内では、来月からは地元で沖合底引き網漁が解禁されることから今月中に放出を開始すべきだという声があって、今後、協議が行われるものとみられます。

処理水の放出計画をめぐっては、国内の漁業関係者に加え、中国など周辺国に反対や懸念の声があることから、政府は、引き続き安全性の確保や風評対策の説明を続けていく考えです。